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Amapiano

2012–present

2010年代の南アフリカで生まれた、ハウスに深い低音と、尾を引く独特の電子打楽器「ログドラム」を乗せたダンス音楽。2020年代、世界のクラブを席巻した南アフリカ発のサウンドだ。

What it sounds like

南アフリカ・ヨハネスブルク周辺発の電子ダンス音楽。テンポはBPM 110〜115ほど。使われる音は、ジャズピアノ風の翳りのある豊かな和音、シンセのベース、シェイカーやハイハットといった細かい打楽器、そして特徴的な「ログ・ドラム」(数秒かけて減衰していく、腹に響く低音のシンセ・パーカッション)だ。曲は5〜8分と長く、歌は少なめで、男女の声による短いフレーズが時おり差し込まれる程度。仕上げでは重低音と打楽器が際立つよう調整され、その低音のうねりが踊り手の体を揺らす。

The signature rhythm pattern of this genre. Press play to loop it, and follow the score below to see which beat is sounding.

UK 2-step garage · 130 BPM

How it came about

2010年代前半から半ばにかけて、南アフリカのヨハネスブルクとプレトリア近郊のタウンシップ(カトレホン、ソウェト、マメロディなど。発祥地には諸説ある)で、クワイト(1990年代南アで流行したハウス系のダンス音楽)やディープ・ハウス、ジャズを土台に、若い作り手たちの手で生まれた。「アマピアノの王」と呼ばれる Kabza De Small や DJ Maphorisa といった面々が2018年頃から2020年にかけて基本形を固め、2020年のパンデミックの時期にTikTokを通じて世界へ広まった。2022年以降はナイジェリアのアフロビーツとも混じり始める。そして2023年末には南アの歌手 Tyla の『Water』が米国のポップ・ラジオでも流れるヒットとなった。タウンシップのパーティー音楽が、生まれてわずか数年で米ポップ・チャートのど真ん中に立っていた。クラブの外へ、一般のヒット曲の世界へと、アマピアノは抜け出したのだ。

What to listen for

「ログ・ドラム」と呼ばれる、低音シンセが数秒かけて尾を引きながら沈んでいく音。これがアマピアノの心臓部だ。多くの曲でこの音がキックとベースの両方を兼ね、うねりそのものがリズムを生む。次に、ジャズピアノのような翳りのある豊かな和音(専門的には7th・9th・11thといった、和音に響きを足す音を重ねたもの)。そしてシェイカーとハイハットが刻む細かいリズム。曲の頭から2〜3分かけて少しずつ音の層が積み重なっていく作りは、ハウスやテクノと共通する。ポップスのように頭からサビを期待せず、層が揃う数分目あたりまで通して身を委ねたい。

If you only hear one thing

まず1曲だけ聴くなら、Kabza De Small & DJ Maphorisa『Asibe Happy』(feat. Ami Faku、2021)がよい。アマピアノ入門の決定版だ。アフロビーツ寄りの入口なら、Asake『Sungba』(ナイジェリアの巨星 Burna Boy を迎えたリミックス、2022)を選びたい。長尺で浸りたいなら、Kabza De Small のアルバム『I Am the King of Amapiano: Sweet & Dust』(2020)に身を沈めたい。

Trivia

「Amapiano」はズールー語で「ピアノたち」の意味。ズールー語の複数接頭辞 ama- に英語の piano が付いた合成語で、ピアノやコードが主役というこの音楽の核を、名前そのものが言い当てている。「ログ・ドラム」と呼ばれるあの低音シンセは、FL Studio内蔵のFMシンセ・プラグイン『Fruity DX10』のプリセット音色を改造したものから広まったという説が有力で、広めたのはプロデューサーの MDU aka TRP だとされる。以後、共有の楽器のようにシーン全体へ広がっていった。

Notable artists

  • Kabza De Small2009–present
  • DJ Maphorisa2010–present
  • Tyler ICU2018–present
  • Tyla2019–present

Notable tracks

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