ラテン・カリブ

ティンバ

Timba

ハバナ / キューバ / カリブ海 · 1990年〜

1990年代キューバ「特殊な期間」(ソ連崩壊後の経済危機)に生まれた、サルサとアフロ・キューバン・ジャズ・ファンクの強烈な融合体。

どんな音か

ティンバは、キューバサルサ系ダンス音楽を、ファンクジャズ、アフロ・キューバン・リズム、強烈なブラスで過熱させた音楽。ベースは複雑に跳ね、ピアノは鋭く刻み、コーラスとホーンが観客を煽る。NG La BandaやLos Van Vanの曲では、アンサンブルが突然切り替わり、ダンサーの身体を振り回す。

生まれた背景

1990年代のキューバで、ソ連崩壊後の経済危機、特殊な期間の中から生まれた。困難な時代にもクラブやダンスの熱は強く、音楽家は高度な演奏力をポピュラー音楽へ注ぎ込んだ。サルサよりもアグレッシブで、ジャズ教育を受けた奏者の技巧も目立つ。

聴きどころ

ベースとピアノの噛み合いを聴くとよい。一定に踊れるようで、突然ブレイクやコールが入り、全員が別方向へ跳ねる。ホーンの鋭い合図、コロと呼ばれるコーラス、歌手の煽りが、ライブのような緊張を作る。

発展

1990年代後半マニー・ロペスのチャランガ・ハバネラ、イサック・デルガドらが世代を更新し、ロス・ヴァン・ヴァンは半世紀以上活動を続ける。米国マイアミのキューバ系移民音楽家との交流もあり、サルサ・モンテーニョと並ぶ現代ラテン・ダンスの核となった。

出来事

  • 1989: ソ連崩壊・特殊期間開始
  • 1993: NGラ・バンダ「La Bruja」
  • 1996: チャランガ・ハバネラ「Te Pone La Cabeza Mala」
  • 2010: ティンバ国際フェスティバル

派生・影響

サルサから派生してティンバが成立。アフロ・キューバン・ジャズ、ラテン・ファンクと相互影響。

音楽的特徴

楽器ピアノ、ベース、ドラムキット、コンガ、ティンバレス、ホーン、声

リズム高速2-3クラベ、複合打楽器、ホーン即興

代表アーティスト

  • Los Van Vanキューバ · 1969年〜
  • NG La Bandaキューバ · 1988年〜

代表曲

日本との関係

日本ではサルサ・ダンスの愛好家やラテン音楽ファンの間で知られている。キューバ音楽といえばソンやサルサの印象が強いが、ティンバはより現代的で演奏難度が高い。ダンスイベントで体験すると、録音以上にリズムの複雑さが分かる。

初めて聴くなら

入口は「No Se Puede Tapar el Sol — NG La Banda (1989)」。ティンバ前夜の鋭さがある。90年代の熱は「La Bruja — NG La Banda (1993)」。Los Van Vanの大衆性とグルーヴは「Soy Todo — Los Van Van (1995)」で聴ける。

豆知識

ティンバサルサキューバ版と片づけられがちだが、実際にはベース、ピアノ、ホーン、コールの構造がかなり違う。踊れる音楽でありながら、演奏者の反射神経も問われる。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1960年代1990年代2010年代ティンバティンバサルササルサレパルトレパルト凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ティンバを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

ティンバ の系譜全体図(多段)を見る

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