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バングラデシュ

Bangladesh

南アジア

バングラデシュは、Spotifyが上陸してまだ日の浅い新興市場だ。最大の魅力は、隣接するインド・西ベンガル州(州都コルカタ)とベンガル語で国境なしにつながり、同じ曲・同じ歌手が両国を行き来することにある。チャートを動かしているのは三本柱――メロディアスな「バングラ・ポップ」(代表格はPritom Hasanら)、轟音ギターの「Bangla Rock」(Artcellら)、そしてラジオを通さずYouTubeだけで国民的ヒットを生む新興の「Bangla Hip-Hop」(Tabib Mahmudら)である。その底に流れているのが、各地を旅しながらエクタラ(ektara)という一弦の楽器を弾き、神への思いを歌う修行者たちの民俗音楽「Baul」(バウル)だ。バウルを代表する歌い手、聖者ファキール・ラロン・シャーの歌「Lalon Geeti(ラロン・ギーティ)」を最も名高い源流とするこの音楽は、2005年にユネスコの「人類の口承及び無形遺産の傑作」に選ばれ(2008年に無形文化遺産の代表リストへ正式登録)、今も国の宝として歌い継がれている。現代のポップ歌手のメロディにも、その節回しがかすかに息づいている。

自国アーティストの人気曲

  • SweetheartPritom Hasan · 2024

    バングラデシュ若手プロデューサー兼アーティストPritom Hasanのヒット曲。

  • Khachar Bhitor Ochin Pakhi 鳥籠の中の見知らぬ鳥Lalon Shah (covers) · 1890
    Lalon Geeti / バウル

    19世紀のスーフィー神秘主義者ラロン・シャーの代表的歌。「肉体は籠、魂は鳥」というメタファーで、生死を超えた魂の自由を歌う、バングラデシュの精神的中核。

海外アーティストの人気曲

世代・地域・経済による違い

若者にとってダッカとコルカタのポップはほぼ地続きで、両側のチャートを一つの大きな海として聴く世代だ。コルカタのヒットが数日でダッカの再生リスト上位に来ることも珍しくない。地方では今もBaul音楽が結婚式や宗教行事に欠かせず、暮らしに根づいた音楽として生き続けている。年配層がとりわけ手放さないのが、Rabindra Sangeet(タゴール歌曲)。詩人タゴールはインド・バングラデシュ両国の国歌を書いた人物でもあり、その歌は世代を超えて広く親しまれている。新興のヒップホップは都市の若年男性が中心で、ラジオを介さずYouTubeを軸に広がってきた。

参考資料

- Bangla Billboard Hot 100: https://banglabillboard.com/hot-100 - Spotify Hot Hits Bangladesh: https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1DX794NyvTu6nv