サンテリア音楽
キューバで成立したヨルバ系アフロ・キューバン宗教ルクミの儀礼音楽。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
ドラムパターンの反復リズムが、精神状態を導く(トランス状態への誘導)ために、意図的に設計されている。Merceditas Valdésの声は、讃詞(オリキ)を『歌う』というより『祈る』に近い。声の張り方、言葉の発音の強弱が、神への敬意と親密さの両方を表現する。儀礼のドキュメンタリー映像とともに聴くと、音と動き(踊りと祭祀行為)の関係が明らかになる。
発展
19世紀末から20世紀にかけて聖別された(『誕生した』)バター太鼓制度が確立し、特定の神々に捧げられた儀礼レパートリーが整理された。1959年キューバ革命後は一時抑圧されたが、1990年代以降の宗教回復で再活性化、ファンキーや現代ジャズ、ティンバ等の世俗音楽にも影響している。
出来事
- 1843-44: 『ラ・エスカレラ陰謀』、ルクミ宗教共同体組織化
- 1959: キューバ革命、宗教制限
- 1995: ハバナ・サンテリア国際儀礼会議
- 2003: ユネスコ・キューバ声楽遺産にルクミを含める検討開始
派生・影響
アフロ・キューバン・ジャズ、ルンバ・グアグアンコ(部分的)、現代ティンバ、コロンビア・チャングイ等カリブ宗教音楽全般。
音楽的特徴
楽器バター三太鼓、シェケレ、アグベ、声、合唱
リズムトケ・デ・サント(神別リズム)、コール&レスポンス、ルクミ語(ヨルバ系)
代表アーティスト
- Merceditas Valdés
代表曲
- Toque para Yemayá — Merceditas Valdés
Toque para Shangó — Merceditas Valdés
日本との関係
キューバ文化への学術的興味が高まった1980年代以降、Santería音楽もマイナーながら知られるようになったが、宗教としての理解はほぼ進まず、『呪い・秘術』的なイメージで消費される傾向がある。
初めて聴くなら
Merceditas Valdésの『Toque para Yemayá』(海の女神イェマヤへの讃歌)。短く、ドラム・パターンの基本が明確。その後『Toque para Shangó』(雷の神シャンゴへの讃歌)で、異なる神への讃歌の音響的差異を学ぶ。夜間、リラックス状態で聴くことを推奨。
