ポップ
Cポップ
C-Pop
中国 / 東アジア · 1970年〜
中華圏の中国語による大衆ポップ音楽の総称。香港のCantopop、台湾・中国本土のMandopopなどを含む。
どんな音か
Cポップは、中華圏の中国語ポップを広く指す言葉。北京語のマンダリンポップ、広東語の広東ポップ、台湾、香港、中国本土、シンガポール、マレーシアの音楽が重なる。バラードでは声の息遣いとメロディの長い線が大切で、ロックやR&Bでは都会的なビートが入る。鄧麗君の柔らかい歌、王菲の浮遊する声、張學友の堂々としたバラードは、それぞれ違う時代の入口になる。
生まれた背景
1970年代以降、台湾と香港のレコード産業、映画、テレビが大きな推進力になった。香港では広東語ポップが映画スターと結びつき、台湾では北京語バラードとシンガーソングライター文化が育った。中国本土の市場拡大と配信時代を経て、Cポップは単一の都市ではなく、中華圏全体を横断する巨大なポップ圏になっている。
聴きどころ
歌詞の言語によって、声のリズムが変わるところを聴くとよい。広東語は声調が細かく、メロディの動きに独特のしなやかさが出る。北京語バラードでは母音を長く伸ばす旋律が映える。編曲は時代ごとに大きく違うので、ストリングス、シンセ、ギターの質感から録音年代も感じ取れる。
代表アーティスト
- Li Xianglan (李香蘭)中国 · 1938年〜1958
- Teresa Teng (鄧麗君)台湾 · 1967年〜1995
- Leslie Cheung (張國榮)中国 · 1977年〜2003
- Jacky Cheung (張學友)中国 · 1984年〜
- Faye Wong (王菲)中国 · 1989年〜
- Michael Wong (光良)マレーシア · 1995年〜
代表曲
甜蜜蜜 — Teresa Teng (鄧麗君) (1979)
吻別 — Jacky Cheung (張學友) (1993)
我願意 — Faye Wong (王菲) (1994)
童話 — Michael Wong (光良) (2005)

夜來香 — Li Xianglan (李香蘭) (1944)
日本との関係
日本とは深い関係がある。鄧麗君は日本語曲でも大きな人気を得たし、李香蘭の「夜來香」は戦前戦後の東アジアの複雑な記憶と結びつく。日本の歌謡曲やドラマ主題歌が中華圏でカバーされる例も多く、逆に台湾や香港のスターが日本で紹介されることもあった。
初めて聴くなら
日本の耳にも入りやすい入口は「甜蜜蜜 — Teresa Teng (鄧麗君) (1979)」。90年代香港ポップの王道なら「吻別 — Jacky Cheung (張學友) (1993)」。透明感と都会的な孤独を聴くなら「我願意 — Faye Wong (王菲) (1994)」がよい。
豆知識
Cポップは一つの音ではなく、言語圏と市場の呼び名に近い。マンダリンポップと広東ポップでは歌詞の響きもスター文化も違うため、気に入った曲があれば、言語や都市ごとに掘ると一気に景色が広がる。
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