ポップ

イスラエル宗教ポップ

Israeli Religious Popular Music

イスラエル / 西アジア · 1960年〜

1970年代以降のイスラエルで成立した、ユダヤ教宗教歌詞をポップ・ロック語法で歌う商業ジャンル。

どんな音か

イスラエル宗教ポップは、ユダヤ教の祈り、聖句、宗教的な思いを、ポップロックフォークの語法で歌う音楽。アコースティックギターやピアノの親しみやすい伴奏に、ヘブライ語の歌詞が乗る。Shlomo Carlebachの歌は共同体で歌える素朴さがあり、Ishay Riboは現代的なポップ制作で信仰と個人の感情を結びつける。

生まれた背景

1960〜70年代以降、イスラエル社会の宗教復興、シナゴーグ歌、フォークロック、商業ポップが重なって発展した。Carlebachはユダヤ教の旋律を親しみやすく広めた重要人物で、近年は宗教的な歌詞を持つアーティストが一般ポップ市場でも聴かれるようになった。

聴きどころ

ヘブライ語の言葉のアクセントと、会衆で歌いやすい旋律を聴くとよい。ロック的なビートが入っても、歌詞は祈りや帰還、安息日、悔い改めと結びつく。サビで大きく開く曲では、個人の歌が共同体の歌へ変わる。

発展

1990年代の宗教派音楽専門レーベル発展、2000年代のメシアン的歌手アリエル・ザカイ、2010年代のイシャイ・リボ・メシアの世俗チャート進出を経て、現代イスラエル・メインストリーム音楽の重要な一翼を成すに至った。

出来事

  • 1959: シェロモ・カルレバッハ初録音
  • 1967: 六日戦争後の宗教覚醒
  • 2014: イシャイ・リボ『Lashuv Habayta』、世俗チャート上位

派生・影響

クレズマー復興、現代Piyut運動、世界的ユダヤ・ポピュラー音楽(米マッティ・キャスパー、フランス・グラディアらと相互影響)に連続する。

音楽的特徴

楽器ヴォーカル、ギター、キーボード、ドラム、ベース、ストリングス

リズムポップ/ロック拍節、ヘブライ典礼テキスト、ハシディック・モード

代表アーティスト

  • Shlomo Carlebachアメリカ合衆国 · 1954年〜1994
  • Ishay Riboイスラエル · 2014年〜

代表曲

日本との関係

日本ではイスラエル音楽やユダヤ教音楽として専門的に触れられることが多い。キリスト教系のワーシップほど一般化していないが、ヘブライ語聖書、ユダヤ文化、中東音楽に関心を持つ人には接点がある。配信でIshay Riboのような現代歌手にアクセスしやすくなった。

初めて聴くなら

現代的な入口は「Lashuv Habayta — Ishay Ribo (2014)」。宗教的な物語性を深く聴くなら「Seder HaAvodah — Ishay Ribo (2019)」。共同体で歌われる旋律の源流として「Lecha Dodi — Shlomo Carlebach (1965)」もよい。

豆知識

このジャンルでは、歌詞の出典が聖句や祈祷文であることが多い。ポップなメロディでも、聴き手は言葉の宗教的な記憶を共有しているため、世俗ポップとは違う深さが生まれる。

影響・派生で結ばれたジャンル

イスラエル宗教ポップを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

イスラエル · 1960年前後 (±25年)

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