ジャワガムラン
中部ジャワの宮廷で発達した青銅打楽器合奏。緩慢で瞑想的。
まずはここから
ひとことで言うと中部ジャワの宮廷で発達した青銅打楽器合奏。緩慢で瞑想的。
まずはこの曲からKi Manteb Soedharsono — Ladrang Wilujeng ▶ YouTube
代表的な人Ki Manteb Soedharsono
どんな音か
鍵盤状に並んだ青銅の金属板(サロン)、つり下げた青銅のゴング群、太鼓(クンダン)、竹製の笛(スリン)、擦弦楽器(ルバーブ)などが重なる合奏音楽だ。テンポは非常に遅く、ひとつの楽節が数分かけてゆっくり展開する。金属の音が重なると、倍音同士が干渉してゆらゆらと揺れる独特のうなりが生じる。これはガムランの楽器が意図的に微妙にずらしてチューニングされているためで、「うなり」そのものが音楽の一部とみなされる。全体の音像は厚くて重く、どこかに沈み込むような感触がある。
このジャンルを特徴づける代表的なリズムパターン。再生ボタンでループ再生し、下のリズム譜で今どの拍が鳴っているかを確認できます。
聴きどころ
大ゴング(グン)が鳴るタイミングに注目する。ガムランは大ゴングが一定間隔で鳴ることで楽曲の「区切り」が示される循環構造を持っている。その間に他の楽器が速さの異なるパターンを重ねるため、全体がひとつの立体的な時計のように動く。最初はグンの音だけを追いながら、そこから逆算して他の楽器のリズムを聴くと構造が見えてくる。
初めて聴くなら
キ・マンテブ・スダルソノの『Ladrang Wilujeng』(1990年)は中程度のテンポで、ガムランの構造を追いやすい。音量を少し上げて、部屋に音を広げながら聴くと金属の倍音のうなりが聴こえてくる。
代表アーティスト
- Ki Manteb Soedharsono
代表曲
- Ki Manteb Soedharsono — Ladrang Wilujeng (1990)
生まれた背景
中部ジャワのスラカルタ(ソロ)とジョグジャカルタの宮廷(クラトン)が、独自の様式を競うように発展させてきた。王族の儀礼、影絵芝居(ワヤン・クリ)の伴奏、舞踊劇の地として機能してきた歴史がある。
音楽的特徴の詳細
楽器サロン・デムン・ボナン・ゲンダー・グンボン・ケンダン・スリン・ルバーブ・ゲロン・シンデン
リズムコロトミック構造、ペロッグ・スレンドロ音律、緩〜急の段階展開
発展
20世紀には王宮のガムランが学校教育に取り入れられ、芸術院ISI(インドネシア芸術大学)が継承を担った。カイ・ナルトサブドの新作創作、ローシン・ハリソンら欧米作曲家の探求、海外大学(UCLA・京都市芸大など)の常設ガムラン教育で世界に広まった。
出来事
- 9世紀: ボロブドゥール・レリーフにガムラン描写。
- 1755年: ジョグジャカルタ・スラカルタ分裂で宮廷様式分化。
- 1889年: パリ万博でドビュッシーが初聴。
- 1971年: 京都市芸大ガムラン教育開始。
- 2021年: ガムランがユネスコ無形文化遺産代表一覧表に登録。
派生・影響
バリ・スンダのガムラン諸様式、現代インドネシア音楽創作、欧米現代音楽(ドビュッシー・ローシン・ハリソン・スティーヴ・ライヒ)に深く影響を与えた。
日本との関係
豆知識
影響・派生で結ばれたジャンル
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