ダンスバンド
社交ダンス用に作られた、スウェーデンの根強い国民的ダンス音楽。
まずはここから
ひとことで言うと社交ダンス用に作られた、スウェーデンの根強い国民的ダンス音楽。
まずはこの曲からVikingarna — Djingis Khan ▶ YouTube
代表的な人Vikingarna
どんな音か
ダンスバンドは、男女がペアで踊る社交ダンスのための音楽を演奏するスウェーデン発祥の音楽スタイルだ。フォックストロット、ワルツ、シュラーガー(独語圏の大衆歌謡)、そして時にスウェーデンのポルスカ(スウェーデン語polska、3拍子の伝統ダンス)を、穏やかで覚えやすいメロディと優しいハーモニーで奏でる。エレキギター、キーボード、サックス、アコーディオン、時にホーンを備えた5-6人編成のバンドが、踊りやすい一定のテンポで安心感のある音を届ける。派手さより「ちょうどよさ」を重んじ、年齢層20-70代までのカップルが同じ会場で踊れることを設計目標にしている。ジャンルとしては1960年代半ばに輪郭が固まり、1970年代に国民的娯楽として確立、以降50年以上ほぼ同じ様式で維持されている珍しい安定ジャンルだ。
聴きどころ
初めて聴くなら
代表アーティスト
- Vikingarna
- Lasse Stefanz
代表曲
- Vikingarna — Djingis Khan (1979)
- Lasse Stefanz — Mississippi (1985)
生まれた背景
1950-60年代、ロックンロールとポップスがスウェーデンに流入した時期、地方のダンス会場(フォルケッツ・パルク、「人民公園」の意で、労働運動系の団体が運営する野外/屋内ダンス施設)では、これらの新しい米国音楽を「踊れる形」に翻訳する需要があった。従来のスウェーデン民謡は3拍子のポルスカ中心で、ロックの4/4は踊りにくく、逆にロックそのままではペア・ダンスの型が使えない。
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音楽的特徴の詳細
楽器エレクトリックギター、キーボード、ベース、ドラムス、サックス、アコーディオン
リズムフォックストロットやワルツなど社交ダンス用の一定したリズム、穏やかなテンポ
発展
ヴィキンガルナやラッセ・ステファンスといった人気バンドが長年にわたり活動し、国民的な存在となった。世代を超えて社交ダンスの定番として支持され続けている。
出来事
- 1979年: ヴィキンガルナの「Djingis Khan」が大ヒットする。
- 1980年代: ラッセ・ステファンスがカントリー色を加えた人気バンドとなる。
派生・影響
近隣のノルウェーやフィンランドにも同種のダンス音楽文化があり、北欧全体で類似のスタイルが共有されている。現在も専用のダンス会場やフェスティバルで生き続けている。
日本との関係
日本にはダンスバンドと直接対応する文化はないが、機能的には昭和のムード歌謡と社交ダンス・ホール音楽の中間に位置する。特に演歌歌手/ムード歌謡バンド(黒沢明とロス・プリモス、鶴岡雅義と東京ロマンチカら)の音楽的機能——安心して踊れるテンポ、一定のリズム、感情移入しやすい歌詞——は、ダンスバンドと驚くほど近い。ダンスバンドは日本ではほぼ紹介されていないが、ABBA以外のスウェーデン音楽を辿るときに必ず現れる巨大な存在で、実はABBAの結成メンバーの一部(Björn UlvaeusのHootenanny Singers)は初期にダンスバンド的な巡業も行っていた。日本の社交ダンス愛好家が耳にする「洋楽」の一部は、実は北欧経由のダンスバンド系楽曲だ。
豆知識
影響・派生で結ばれたジャンル
系譜図を見る
感触が近い系譜も地域も違うのに、聴くと通じるジャンル
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