カンタウトーリ
文学的な歌詞を自作自演するイタリアのシンガーソングライター伝統。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
イタリア語が分からなくても、歌唱の語りのような抑揚と間の取り方に注目すると物語性が伝わる。デ・アンドレの低く落ち着いた声、バッティスティの革新的な編曲、ダッラのオペラ的な高揚など、歌い手ごとの個性の違いも聴きどころ。
発展
1960〜70年代にルチオ・バッティスティやルチオ・ダッラ、ファブリツィオ・デ・アンドレらが各々の作風を確立し、イタリア大衆歌曲の背骨となった。
出来事
- 1958年: ジェノヴァ楽派の形成、カンタウトーレ概念の確立。
- 1970年: ルチオ・バッティスティ『Emozioni』が新世代の歌を象徴。
- 1986年: ルチオ・ダッラ『Caruso』が世界的に知られる代表曲に。
派生・影響
現在に至るイタリアのポップスやインディー音楽の歌詞重視の姿勢に深く根を下ろし、後続世代の規範であり続けている。
音楽的特徴
楽器アコースティック・ギター、ピアノ、弦楽オーケストラ、アコーディオン
リズム歌詞の語感を優先した自由なフレージング、フォークやワルツ、バラード調まで多様
代表アーティスト
- Fabrizio De André
- Lucio Dalla
- Lucio Battisti
代表曲
- La Canzone di Marinella — Fabrizio De André (1964)
- Emozioni — Lucio Battisti (1970)
- Caruso — Lucio Dalla (1986)
日本との関係
初めて聴くなら
ルチオ・ダッラ『Caruso』(1986)はメロディが分かりやすく入り口に最適。歌詞世界の深さを味わうならファブリツィオ・デ・アンドレ『La Canzone di Marinella』(1964)を。
豆知識
ファブリツィオ・デ・アンドレは「イタリアのブラッサンス」とも呼ばれ、娼婦や漁師、社会の周縁にいる人々を尊厳をもって歌った。彼の死後、出身地ジェノヴァには記念の財団が置かれた。
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- 古典マカロニ・ウエスタン音楽
- ロック・メタルイタリアン・プログレ
- エレクトロニックイタロ・ディスコ
