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伝統・民族

カンタウトーリ

Cantautori

ジェノヴァ / イタリア / 南欧 · 1958年〜

別名: イタリアン・シンガーソングライター / ジェノヴァ楽派

文学的な歌詞を自作自演するイタリアのシンガーソングライター伝統。

どんな音か

派手な音響よりも、まず歌詞の重みで聴かせる音楽。アコースティック・ギターやピアノ、時に弦楽オーケストラを背景に、歌というより語りに近い歌唱で物語が綴られる。フォークからポップ、プログレまで音楽性は幅広いが、共通するのは詩のように練られた言葉と、社会の周縁や愛、死を見つめる視線。落ち着いた大人の情感が漂う。

生まれた背景

1958年頃のジェノヴァで、若い書き手たちによる「カンタウトーリ」が起点になった。フランスのジョルジュ・ブラッサンスらシャンソンの影響を受け、商業的なサンレモ歌謡とは一線を画す知的な歌として広がった。ファブリツィオ・デ・アンドレがその精神的支柱となった。

聴きどころ

イタリア語が分からなくても、歌唱の語りのような抑揚と間の取り方に注目すると物語性が伝わる。デ・アンドレの低く落ち着いた声、バッティスティの革新的な編曲、ダッラのオペラ的な高揚など、歌い手ごとの個性の違いも聴きどころ。

発展

1960〜70年代にルチオ・バッティスティやルチオ・ダッラ、ファブリツィオ・デ・アンドレらが各々の作風を確立し、イタリア大衆歌曲の背骨となった。

出来事

  • 1958年: ジェノヴァ楽派の形成、カンタウトーレ概念の確立。
  • 1970年: ルチオ・バッティスティ『Emozioni』が新世代の歌を象徴。
  • 1986年: ルチオ・ダッラ『Caruso』が世界的に知られる代表曲に。

派生・影響

現在に至るイタリアのポップスやインディー音楽の歌詞重視の姿勢に深く根を下ろし、後続世代の規範であり続けている。

音楽的特徴

楽器アコースティック・ギター、ピアノ、弦楽オーケストラ、アコーディオン

リズム歌詞の語感を優先した自由なフレージング、フォークやワルツ、バラード調まで多様

代表アーティスト

  • Fabrizio De Andréイタリア · 1958年〜1999
  • Lucio Dallaイタリア · 1963年〜2012
  • Lucio Battistiイタリア · 1966年〜1998

代表曲

日本との関係

ルチオ・ダッラ『Caruso』は日本でもクラシック系歌手のカバーを通じて知られ、イタリア歌曲の名曲として親しまれている。カンタウトーリ全体の知名度は高くないが、シャンソン愛好家の周辺で静かに支持されてきた。

初めて聴くなら

ルチオ・ダッラ『Caruso』(1986)はメロディが分かりやすく入り口に最適。歌詞世界の深さを味わうならファブリツィオ・デ・アンドレ『La Canzone di Marinella』(1964)を。

豆知識

ファブリツィオ・デ・アンドレは「イタリアのブラッサンス」とも呼ばれ、娼婦や漁師、社会の周縁にいる人々を尊厳をもって歌った。彼の死後、出身地ジェノヴァには記念の財団が置かれた。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1880年代1950年代カンタウトーリカンタウトーリシャンソンシャンソン凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
カンタウトーリを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

イタリア · 1958年前後 (±25年)