イタリアン・プログレ
クラシックやジャズと地中海的旋律が溶け合った1970年代イタリアのプログレ。
どんな音か
生まれた背景
1971年前後、キング・クリムゾンやジェネシス、EL&Pの衝撃を受けたイタリアの若手が、自国のクラシック教育とオペラの伝統を背景に独自の発展を遂げた。短い期間にミラノやローマのレーベルから名盤が集中して生まれ、PFMが海外進出の道を開いた。
聴きどころ
拍子が頻繁に変わる場面と、突然テンポが落ちて美しいメロディが歌い上げられる場面の対比に注目。フルートやメロトロンが醸す室内楽的な響きと、ロックの激しさが同居する瞬間がこの音楽の核心。
発展
PFM(Premiata Forneria Marconi)がイタリア勢として初めて海外チャートに入り、英米市場にも紹介された。BancoやArea、Le Ormeらが各々の方向を深めた。
出来事
- 1971年: イタリアン・プログレ各バンドが相次いでデビュー。
- 1972年: PFM『Impressioni di Settembre』、Banco『R.I.P.』が登場。
- 1973年: PFMが海外進出、イタリア勢初の国際的成功を収める。
派生・影響
後年のメタルやポストロックを含む世界中のプログレ系音楽家に再評価され、コレクター市場でも別格の地位を占める。
音楽的特徴
楽器オルガン、メロトロン、ピアノ、フルート、エレキギター、ドラム、シンセサイザー
リズム頻繁な変拍子とテンポ変化、組曲構成、静と動のダイナミクスの対比
代表アーティスト
- Banco del Mutuo Soccorso
- Premiata Forneria Marconi (PFM)
- Area
代表曲
- Impressioni di Settembre — Premiata Forneria Marconi (PFM) (1972)
- R.I.P. — Banco del Mutuo Soccorso (1972)
- Luglio, Agosto, Settembre (Nero) — Area (1973)
日本との関係
日本はイタリアン・プログレの世界有数の愛好国として知られ、PFMやBanco、Areaの再発盤や紙ジャケCDが数多く流通してきた。熱心なコレクター層に支えられ、来日公演も繰り返し実現している。
初めて聴くなら
PFM『Impressioni di Settembre』(1972)が叙情とダイナミズムの両方を備えた入り口。より激しく前衛的な側を聴くならArea『Luglio, Agosto, Settembre (Nero)』(1973)を。
豆知識
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- エレクトロニックイタロ・ディスコ
- 古典マカロニ・ウエスタン音楽
- 伝統・民族カンタウトーリ
- ヒップホップ・R&Bイタリア語ラップ
