オーストラリアン・カントリー
Slim Dustyの『A Pub With No Beer』(1957)から始まる、豪州のブッシュ・バラードとナッシュビル指向のカントリーの二本柱。
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ひとことで言うとSlim Dustyの『A Pub With No Beer』(1957)から始まる、豪州のブッシュ・バラードとナッシュビル指向のカントリーの二本柱。
まずはこの曲からSlim Dusty — A Pub With No Beer ▶ YouTube
代表的な人Slim Dusty
どんな音か
オーストラリアン・カントリーは、1950年代のSlim Dustyのブッシュ・バラード(奥地の生活を歌う叙事的カントリー)と、1990年代以降のナッシュビル志向カントリー(Keith Urban)、その中間にあるKasey Chambersのオルタナ・カントリーの三つの層で構成される。編成はアコギ+スライド・ギター+ペダルスチール+ベース+ドラム+ハーモニカ+フィドルが基本で、アメリカ合衆国カントリーより荒野感の強い歌詞と、豪州英語のスラング(mate、cobber、drover)を残す点が特徴だ。テンポは60-120BPM、コード進行はI-IV-V中心のブルース寄りで、Slim Dustyはトーキング・ブルースに近い語り歌唱、Kasey Chambersはナッシュビル寄りのしゃがれたベルト唱法を持つ。
聴きどころ
Slim Dusty『A Pub With No Beer』のギターとハーモニカのシンプルな伴奏の上で、Slim Dustyの語り歌唱が「歌う」と「話す」の境界を行き来しているのを聴いてほしい。アメリカ合衆国のカントリー・ボーカルより地声寄りで、装飾を最小限にする様式がオーストラリアのブッシュ・バラードの特徴だ。Kasey Chambers『Not Pretty Enough』のしゃがれた高音は、Emmylou Harris系のナッシュビル・ソプラノとは違う、荒野で叫んで擦り切れたような質感を持つ。Keith Urban『Blue Ain't Your Color』はギター・ソロの構築力が全米カントリーの一線を超えている。
初めて聴くなら
代表アーティスト
- Slim Dusty
- John Williamson
- Keith Urban
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- Kasey Chambers
代表曲
- Slim Dusty — A Pub With No Beer (1957)
- Slim Dusty — Duncan (1980)
- John Williamson — True Blue (1981)
もっと見る(あと3件)
- Kasey Chambers — The Captain (1999)
- Kasey Chambers — Not Pretty Enough (2001)
- Keith Urban — Days Go By (2004)
生まれた背景
Slim Dusty(1927-2003)がNSW州北部ケンプシー出身の少年時代から書き溜めていた『A Pub With No Beer』を1957年に発表、これが豪州音楽史上初の国際的ゴールド・ディスクとなった。曲は奥地のパブでビールが切れた日常を歌ったコミック・バラードで、米ナッシュビルとは全く別の「オーストラリアの田舎の歌」を打ち出した。
音楽的特徴の詳細
楽器アコースティック・ギター、ペダルスチール、スライド・ギター、フィドル、ハーモニカ、ダブル・ベース、ドラム、ボーカル
リズム60-100BPMのブッシュ・バラード型、100-140BPMのナッシュビル寄り、時にドローバー(牛追い)のワルツ3拍子
発展
1990年代後半、Nick ChambersとBill Chambersが率いる家族バンドDead Ringer Bandから独立したKasey Chambers(1976生)が1999年『The Captain』、2001年『Barricades & Brickwalls』(収録曲『Not Pretty Enough』)で全豪1位を獲得、オルタナ・カントリーとして海外にも届いた。同時期にニュージーランド出身のKeith Urban(1967生、豪州育ち)は1992年ナッシュビル移住後、2004年『Days Go By』で全米カントリー・チャート1位、2020年代までに4度のグラミーを獲得している。John Williamson(1945生)は保守派ブッシュ・バラードの継承者、Troy Cassar-Daleyは先住民系の代表格。
出来事
- 1957: Slim Dusty『A Pub With No Beer』ゴールド
- 1973: タムワース・フェスティバル創始
- 2001: Kasey Chambers『Barricades & Brickwalls』全豪1位
- 2004: Keith Urban『Days Go By』全米カントリー1位
- 2003: Slim Dusty死去、国葬級の追悼
派生・影響
米カントリー、ブルーグラス、フォーク・リバイバルとの直接の親子関係。オルタナ・カントリー系(米Wilco、Uncle Tupelo)とは兄弟。
その後の代表曲
- Keith Urban — Blue Ain't Your Color (2016)
日本との関係
豆知識
Slim Dustyの『A Pub With No Beer』はイギリスのシンガー・ソングライターDan O'Connorの1943年作『A Pub Without Beer』を下敷きにしたカバー曲だったが、Slim Dustyが完全にオーストラリアの情景に書き換えた。1957年のリリース時にオーストラリアで30万枚、イギリスで7位を記録、これが豪州音楽史上初の国際ヒットとなった。
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Kasey Chambersは南豪州のヌラボー平原でカンガルー狩り一家の娘として育ち、10代までの生活の大半をキャンピングカーで過ごした。この生活経験が彼女の歌詞の土台になっている。
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