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伝統・民族

バル・ミュゼット

Bal-musette

パリ / フランス / 西ヨーロッパ · 1900年〜

別名: ミュゼット / ヴァルス・ミュゼット

労働者街のカフェに響いた、パリのアコーディオン・ダンス音楽。

どんな音か

アコーディオンが主役の、古き良きパリのダンス音楽。とりわけ高速で回るワルツ(バル・ミュゼット)が代名詞で、ビブラートの効いたアコーディオンが哀愁と陽気さを同時に響かせる。軽やかな三拍子に乗って、下町のカフェやダンスホールの情景がありありと立ち上がる。フランス映画でおなじみの、あの音色。

生まれた背景

もとはパリに移住したオーヴェルニュ地方の人々がバグパイプ(バル・ミュゼット)で営んだ踊りの場に、イタリア移民のアコーディオンが入り込んで融合し、20世紀初頭に今日の形が確立した。労働者街の社交の中心として根づき、1930〜50年代に黄金期を迎えた。

聴きどころ

アコーディオンの細かく震えるビブラートと、めまいがするほど速く回るワルツの三拍子が最大の聴きどころ。後年のジョー・プリヴァらの演奏では、ジプシー・ジャズ由来のスウィング感やギターのソロも楽しめる。

発展

1930〜50年代に黄金期を迎え、ジョー・プリヴァやギュス・ヴィズールらの名手が活躍した。やがてジプシー・ジャズ(マヌーシュ・スウィング)と交わり、より洗練された演奏も生まれた。

出来事

  • 1900年頃: パリでバル・ミュゼットの様式が確立。
  • 1930年代: アコーディオン名手の活躍で黄金期に。
  • 1940〜50年代: ジプシー・ジャズとの交流で演奏が洗練。

派生・影響

今日のフレンチ・カフェ音楽やシャンソンの伴奏様式に受け継がれ、パリを象徴する音色として映画やCMでも親しまれ続ける。

音楽的特徴

楽器アコーディオン、バンジョー、ギター、ベース、ドラム、バイオリン

リズム高速で回るワルツの三拍子、ジャヴァやポルカの軽快な拍、ダンス向きの均整

代表アーティスト

  • Gus Viseurベルギー · 1934年〜1974
  • Jo Privatフランス · 1936年〜1996

代表曲

日本との関係

日本でも「パリの音」「シャンソンの伴奏」として広く親しまれ、フランス料理店やカフェのBGM、映画やCMの劇伴で耳にする機会が多い。アコーディオン愛好家にとっても重要な様式である。

初めて聴くなら

ギュス・ヴィズール『Flambée Montalbanaise』(1940年代)がバル・ミュゼットジャズの幸福な出会いを示す名演。よりダンスホール的な情景ならジョー・プリヴァ『Manouche』(1950年代)を。

豆知識

バル・ミュゼット」とはもともとオーヴェルニュ地方のバグパイプの名で、楽器がアコーディオンに代わった後も、踊りの場と音楽の名としてその語が残った。

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