ノルテーニョ・サクソフォン
ボタン式アコーディオンだけのノルテーニョに、サックスとキーボードを加えた1970年代以降の派生形。Los Tigres del Norte、Los Tucanes de Tijuana。
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ひとことで言うとボタン式アコーディオンだけのノルテーニョに、サックスとキーボードを加えた1970年代以降の派生形。Los Tigres del Norte、Los Tucanes de Tijuana。
まずはこの曲からLos Tigres del Norte — Contrabando y Traición ▶ YouTube
代表的な人Ramón Ayala
どんな音か
ノルテーニョ・サクソフォンは、伝統的ノルテーニョ(ボタン式アコーディオン+バホ・セスト+ベース+ドラム)の編成に、アルト・サックスとキーボード、時にトロンボーンを加えた1970年代以降の派生形だ。アコーディオンとサックスがユニゾンでリード旋律を鳴らすことで、原型ノルテーニョより厚みのある吹奏楽的なテクスチャが生まれる。テンポと拍子はノルテーニョと同じでポルカ2/4、ワルツ3/4、コリードの物語形式が中心、テンポは110-140BPM。歌詞のテーマは移民、恋愛、酒、労働、そして麻薬密売(ナルコ・コリード)まで、伝統ノルテーニョと同じ範囲を扱う。録音は原型ノルテーニョより磨きがかかり、ホーンセクションが「バンダ」のスケール感を持ち込む点で、バンダ・シナロエンセの吹奏楽団編成に一歩近づいた中間形態と考えられる。
聴きどころ
アコーディオンとサックスのユニゾンのバランスに耳を澄ませてほしい。伝統ノルテーニョは弦楽器と鍵盤(アコーディオン)の対話だが、ノルテーニョ・サクソフォンではそこに管楽器のサックスが3つ目の声として加わる。二つがユニゾンする瞬間、そしてサックスがアコーディオンから旋律を受け取る瞬間の受け渡しが、このジャンルの職人芸だ。Los Tigres del Norteの『Jefe de Jefes』(1997)は、コリードの叙述形式を保ちながら、サックスの合いの手が物語の緊張感を演出する好例。Grupo Fronteraの『un x100to』(2023)は、Bad Bunnyの現代ラテン・ポップ側からノルテーニョ・サクソフォンをどう聴き直したかを示す、興味深い一曲だ。
初めて聴くなら
最初はLos Tigres del Norteの『Contrabando y Traición』(1974)、ノルテーニョ・サクソフォンの型と物語性の完成形だ。次に『La Puerta Negra』(1988)、移民の郷愁の決定版。Grupo Fronteraの『un x100to』(2023、Bad Bunny共演)は、現代の若い世代への入り口として最適——伝統ノルテーニョ・サクソフォンが2020年代の汎ラテン・ポップと繋がる瞬間が聴ける。深夜のドライブか、金曜の夜に一杯やりながら、が向いている。
代表アーティスト
- Ramón Ayala
- Los Tucanes de Tijuana
- Intocable
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- Grupo Frontera
代表曲
- Los Tigres del Norte — Contrabando y Traición (1974)
- Ramón Ayala — Un Puño de Tierra (1975)
- Los Tigres del Norte — La Puerta Negra (1988)
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- Los Tucanes de Tijuana — La Chona (1996)
- Los Tigres del Norte — Jefe de Jefes (1997)
- Intocable — Rincón Abandonado (1997)
生まれた背景
音楽的特徴の詳細
楽器ボタン式アコーディオン、バホ・セスト(12弦ギター)、ベース、ドラム、アルト・サックス、キーボード、時にトロンボーン、ボーカル
リズムポルカ2/4、ワルツ3/4、コリード物語、テンポ110-140BPM
発展
2000年代以降はIntocable(1993結成、テキサス・サモラ)、Grupo Frontera(2013結成、テキサス・エディンバーグ)がこの路線を若い世代に引き継いだ。Intocableは1990年代半ば以降、ノルテーニョ・サクソフォン+ロマンティックなバラード路線を打ち出し、米国とメキシコのビルボード・レヒオナル・メヒカーノ・チャートで100週を超える1位を獲得した。Grupo Fronteraは2023年、Bad Bunnyとの共演曲『un x100to』でノルテーニョ・サクソフォンを世界市場に完全に開いた——Billboard Hot 100で5位を記録し、テキサスのリオ・グランデ・バレー(米側)の音が汎ラテン・ポップの中心に届いた瞬間だった。
出来事
- 1968: Los Tigres del Norte結成
- 1974: Los Tigres『Contrabando y Traición』
- 1987: Los Tucanes de Tijuana結成
- 1996: Los Tucanes『La Chona』
- 2023: Grupo Frontera『un x100to』Billboard Hot 100 5位
派生・影響
伝統ノルテーニョとバンダ・シナロエンセの中間形態で、テハーノ音楽(Selena)、ナルコ・コリードにも直接繋がる。2020年代のコリードス・トゥンバドスとは違い、電子ビートを使わず生楽器の音圧で勝負する点が現代の若い層への差別化になっている。
その後の代表曲
- Grupo Frontera — No Se Va (2022)
- Grupo Frontera — un x100to (2023)
日本との関係
豆知識
Los Tigres del Norteは1968年結成時、メンバー全員が10代だった。彼らは合法的な移住手続きが取れないままカリフォルニアで音楽活動を続け、後に正式な永住権を取得した経緯を持つ——この体験そのものが彼らの歌詞の説得力の源になっている。
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