ジャズ

クウェラ

Kwela

ヨハネスブルク / 南アフリカ共和国 / 南アフリカ · 1950年〜

別名: Penny whistle jive

1950年代南アフリカのタウンシップで、安価なペニー・ホイッスル(錫製縦笛)を主役にしたストリート発のジャズ系ダンス音楽。

どんな音か

クウェラは、1950年代南アフリカのタウンシップで生まれた、ペニー・ホイッスル主役の軽快なダンス音楽。笛は明るく跳ね、ギターやベースがスウィングし、街角で子どもや若者が吹いているような親しみやすさがある。Spokes Mashiyaneの演奏では、短い笛のフレーズが驚くほど生き生きと踊る。

生まれた背景

アパルトヘイト下の都市で、安価なペニー・ホイッスルを使ったストリート音楽として発展した。ジャズマラビ、タウンシップのダンス文化が混ざり、レコード化されて国際的にも知られた。のちの南アフリカ・ジャズやムバカンガにもつながる重要な都市音楽である。

聴きどころ

笛の明るい音色と、リズムの軽いスウィングを聴く。複雑なハーモニーより、短いフレーズの反復と即興の切れ味が魅力だ。笛が笑うように上がり、伴奏が足取りを支える。街角のダンスとして聴くと近づきやすい。

発展

1956年スパイクス・モーリの「メコシ・ドゥンドゥ」が代表的ヒットとなり、1958年にレモン・ジュース・ジャズメンらが英米で紹介された。1960年代後半にはエレキ化してムバカンガに統合された。

出来事

  • 1951: 初の録音「タウンズ・トーキング」
  • 1956: スパイクス・モーリ「メコシ・ドゥンドゥ」
  • 1959: 英米紹介
  • 1985: ペニー・ホイッスル復興運動

派生・影響

マラビ、ムバカンガ、ジャイヴ・ジャズ、現代南アフリカ・インディ音楽に痕跡を残す。

音楽的特徴

楽器ペニー・ホイッスル、ティーチェスト・ベース、ギター、サンドル

リズム中速2/4シャッフル、3和音循環、笛ソロ

代表アーティスト

  • Spokes Mashiyane南アフリカ共和国 · 1954年〜1972

代表曲

日本との関係

日本では南アフリカ音楽やジャズ史の文脈で知られる程度だが、ペニー・ホイッスルの音は親しみやすい。ワールドミュージックのコンピレーションや映画音楽的な紹介で触れることがある。南アフリカの都市音楽を知る入口として聴きやすい。

初めて聴くなら

入口は「Tom Hark — Spokes Mashiyane (1958)」。クウェラの明るさと笛の魅力が分かる。「クウェラ クウェラ — Spokes Mashiyane (1957)」や「Pennywhistle Boogie — Spokes Mashiyane (1956)」も、街角の踊りの感覚がつかみやすい。

豆知識

クウェラはズールー語系で乗れ、上がれという意味に関係するとされ、警察車両に乗せられる意味も含んだ俗語だった。明るい音の裏に、アパルトヘイト下の都市生活がある。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1920年代1950年代クウェラクウェラマラビマラビ凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
クウェラを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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南アフリカ共和国 · 1950年前後 (±25年)

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