黄梅戯
安徽省安慶を中心とする、明朗で叙情的な地方戯曲。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
厳鳳英の「天仙配」は歌の旋律がそのまま物語の感情と連動していて、音楽的な知識がなくてもシーンの喜怒哀楽が声から伝わりやすい。ニ胡の旋律が歌の前後を埋め、歌い終わりの余韻を引き受ける箇所に注目すると、伴奏と声の分担関係が見えてくる。
発展
1953年に厳鳳英・王少舫らが安徽省黄梅戯劇団を結成し、映画『天仙配』(1955年)が大成功を収めた。改革開放後は馬蘭ら新世代が継承し、テレビドラマ化も進んだ。シンプルな旋律と物語性で大衆人気が高い。
出来事
- 1850年頃: 湖北採茶戯から黄梅戯派生。
- 1953年: 安徽省黄梅戯劇団結成。
- 1955年: 映画『天仙配』公開。
- 1959年: 映画『女駙馬』。
- 2006年: 国家級無形文化遺産指定。
派生・影響
安徽・湖北・江蘇・台湾の華語劇に影響し、中国農村題材の現代演劇・映画にも素材を提供した。
音楽的特徴
楽器高胡、二胡、揚琴、笛、嗩吶、板鼓、声
リズム平詞・花腔の二大声腔、明朗な旋律、口語的詞章
代表アーティスト
- 厳鳳英
代表曲
天仙配 — 厳鳳英 (1955)
日本との関係
初めて聴くなら
厳鳳英「天仙配」(1955年)の映画版を映像付きで見るのが最初の体験として最適だ。字幕(英語か日本語)があれば物語の文脈とともに音楽を聴けるので理解が深まる。声の親しみやすさは中国地方劇の中では高いほうで、京劇の高音に馴染めなかった人でも聴きやすい。
豆知識
厳鳳英(1930〜1968年)は文化大革命の迫害のなかで、1968年に若くして亡くなった(享年38歳)。死因については様々な説があり、公式記録と証言の間に食い違いがあって今も完全には明らかになっていない。彼女の死後、黄梅戯の復興は1970年代末の文革終結後まで待たなければならなかった。
