川劇
四川省の伝統戯曲で、顔の隈取を瞬時に変える『変臉』技法が国際的に有名。音楽・舞踊・アクロバットの融合。
どんな音か
生まれた背景
川劇はおよそ17世紀に四川盆地の地元民謡と昆劇(クンチュー)が融合して成立し、清朝末期から民国時代にかけて形式が整備された。変臉技法は秘伝として保護され、特定の家系の職人にのみ伝承された。20世紀中盤のシナ・プロレタリア文化大革命で一度は弾圧されたが、文革後の1980年代から国家的な『伝統芸能の保護』政策の中で復興し、2006年にはユネスコ無形文化遺産に登録された。
聴きどころ
変臉技法がなされた瞬間の、楽器の『リセット音』。胡琴の悲劇的なスライド奏法がいかに物語を牽引するか。パーカッション(特にサイドドラムとゴング)の複雑なリズムパターン。舞踊の足音(スリッパーの音)が楽器と一体化するタイミング。
発展
20世紀前半に高腔を基盤とした近代化が進み、廖静秋・陽友鶴ら名優が技芸を磨いた。文革で停滞したが、改革開放後の魏明倫『潘金蓮』など実験的新作も生まれた。1990年代以降、変臉が観光ショー化して海外で爆発的人気を得た。
出来事
- 明末: 移民系戯曲の流入。
- 19世紀: 川劇五腔体制の確立。
- 1959年: 廖静秋『焼香台』映画化。
- 1987年: 魏明倫『潘金蓮』。
- 2006年: 川劇国家級無形文化遺産指定、変臉が国家二級機密に。
派生・影響
変臉は中国国家機密技術指定で外国伝授を制限されつつ、観光・舞台芸術として独自のジャンルを形成した。
音楽的特徴
楽器高音鑼鼓、嗩吶、胡琴、笛、月琴、声
リズム五声腔(崑・高・胡・弾・燈)併用、変臉の瞬時変化、四川方言詞章
代表曲
日本との関係
初めて聴くなら
『變臉』(変臉パフォーマンス)。動画配信サイトで高画質版が複数アップロードされており、映像と音楽の同期が最も理解しやすい。昼間に、集中力を高めた状態で視聴することを勧める。音声だけで聴く場合は、変臉の瞬間の楽器音響の『急転』に注目すること。
豆知識
変臉の『フェイスマスク交換秘密』は現在でも職人の間で秘伝として守られており、外部に詳細が公開されないことが多い。ただし、近年のテレビ報道によって、一部のメカニズムが明かされた。川劇の舞台衣装は5〜10kg程度の重さがあり、俳優の身体能力は極めて高いレベルを要求される。
