デモシーン音楽
1980-90年代の自作PCグラフィックデモ・コミュニティで発展した、Tracker系ソフトウェアによる電子音楽文化。
どんな音か
生まれた背景
1980年代後半から90年代の欧州、とくにフィンランドを含む北欧のPCコミュニティで発展した。プログラマー、グラフィック担当、音楽担当がチームを組み、限られたマシン性能でどれだけ派手な映像と音を出せるかを競った。市販ゲームの裏側に近い技術文化だが、目的は製品よりも腕前の披露で、パーティやコンペで作品が共有された。
聴きどころ
音色が豪華かどうかより、少ない素材の使い回し方を聴くとよい。短いサンプルを音程違いで鳴らすベース、細かいスネアロール、矩形波に近いシンセのメロディが、画面の動きと噛み合う。曲だけで聴く場合も、2分前後で場面が切り替わる編集感に注目すると、デモ作品としての設計が見えてくる。
発展
Assembly(フィンランド)、Breakpoint(独)などのパーティで発表。2000年代以降、IDM/Chiptune/EDMにも合流した。
出来事
- 1991: Future Crew『Mental Surgery』 / 1995: Necros『Cybernaut』
派生・影響
Chiptune、IDM、Game Music。
音楽的特徴
楽器MOD/XM/IT trackers、PCサウンドチップ、サンプル
リズム可変、tracker分解能、IDM的編集
代表アーティスト
- Future Crew
- Purple Motion
代表曲
- 2nd Reality — Purple Motion (1993)
Aurora — Future Crew (1992)
Future Crew Trip — Future Crew (1992)
Second Reality — Future Crew (1993)
Second Reality - Stars — Future Crew (1993)
Skaven Theme — Purple Motion (1994)
Skaven - Stratosphere — Purple Motion (1995)
日本との関係
初めて聴くなら
まず「Second Reality — Future Crew (1993)」。映像デモ込みで体験すると、曲のブレイクや盛り上がりがなぜそこにあるか分かる。曲単体なら「Skaven - Stratosphere — Purple Motion (1995)」や「Skaven Theme — Purple Motion (1994)」で、Trackerらしい明るいメロディと硬いドラムを聴きたい。
豆知識
Tracker音楽では、楽譜というより縦に流れる数値表で音を打ち込む。音程、音量、効果を細かいコードで指定するため、作曲とプログラミングの距離が近い。デモシーンの作家名がハンドルネームで残るのも、この文化らしいところだ。
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- ロック・メタルフォークメタル
- ポップフィンランド・ポップ
