エレクトロニック

デモシーン音楽

Demoscene Music

フィンランド / 北欧 · 1985年〜

別名: Tracker Music

1980-90年代の自作PCグラフィックデモ・コミュニティで発展した、Tracker系ソフトウェアによる電子音楽文化。

どんな音か

デモシーン音楽は、PCで動く映像デモに合わせて作られた電子音楽文化から来ている。Trackerと呼ばれるソフトで短い音素材を並べるため、ドラム、ベース、シンセの音はくっきりした粒になりやすい。容量制限の中で曲を鳴らすので、メロディは覚えやすく、ベースは忙しく跳ね、アルペジオはゲーム音楽のように高速で光る。Future CrewやPurple Motionの曲には、90年代PCの画面が開くような鮮やかさがある。

生まれた背景

1980年代後半から90年代の欧州、とくにフィンランドを含む北欧のPCコミュニティで発展した。プログラマー、グラフィック担当、音楽担当がチームを組み、限られたマシン性能でどれだけ派手な映像と音を出せるかを競った。市販ゲームの裏側に近い技術文化だが、目的は製品よりも腕前の披露で、パーティやコンペで作品が共有された。

聴きどころ

音色が豪華かどうかより、少ない素材の使い回し方を聴くとよい。短いサンプルを音程違いで鳴らすベース、細かいスネアロール、矩形波に近いシンセのメロディが、画面の動きと噛み合う。曲だけで聴く場合も、2分前後で場面が切り替わる編集感に注目すると、デモ作品としての設計が見えてくる。

発展

Assembly(フィンランド)、Breakpoint(独)などのパーティで発表。2000年代以降、IDM/Chiptune/EDMにも合流した。

出来事

  • 1991: Future Crew『Mental Surgery』 / 1995: Necros『Cybernaut』

派生・影響

Chiptune、IDM、Game Music。

音楽的特徴

楽器MOD/XM/IT trackers、PCサウンドチップ、サンプル

リズム可変、tracker分解能、IDM的編集

代表アーティスト

  • Future Crewフィンランド · 1990年〜1994
  • Purple Motionフィンランド · 1990年〜

代表曲

日本との関係

日本ではチップチューン同人音楽、ゲーム音楽研究の文脈で知られてきた。商業チャートに出る音楽ではないが、PC-98、ファミコン、アーケード音源に親しんだリスナーには近い耳触りがある。ネット公開のMODファイルや動画共有を通じて、海外デモの名作に触れた制作者も多い。

初めて聴くなら

まず「Second Reality — Future Crew (1993)」。映像デモ込みで体験すると、曲のブレイクや盛り上がりがなぜそこにあるか分かる。曲単体なら「Skaven - Stratosphere — Purple Motion (1995)」や「Skaven Theme — Purple Motion (1994)」で、Trackerらしい明るいメロディと硬いドラムを聴きたい。

豆知識

Tracker音楽では、楽譜というより縦に流れる数値表で音を打ち込む。音程、音量、効果を細かいコードで指定するため、作曲とプログラミングの距離が近い。デモシーンの作家名がハンドルネームで残るのも、この文化らしいところだ。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1970年代1980年代2000年代デモシーン音楽デモシーン音楽ビデオゲーム音楽ビデオゲーム音楽チップチューンチップチューン凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
デモシーン音楽を中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

フィンランド · 1985年前後 (±25年)

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