ピーパート
タイ古典宮廷・寺院音楽の中核をなすアンサンブルで、ロケット型二重管楽器(パイ)が旋律を導き、銅製の音程ゴング群が和声的役割を担う。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
パイの入ぶくみ。最初は弦楽や打楽器の準備の音が聞こえ、その後に高くシャープなパイの声が割り込み、全体が一気に統制される瞬間を待つ。モン・ゴング群の『ボーン』という低い音がいかに複雑な倍音を含んでいるか。楽器群の音の『ズレ』が、東南アジア的な時間感覚をどう表現しているか。
発展
20世紀にラーマ7世(在位1925–1935)の音楽政策で楽譜化と教育体系化が進み、シーラパコン大学・チュラーロンコーン大学に音楽学科が設けられた。現代はタイ宮廷文化の中核として保存される。
出来事
- アユタヤ朝期: 体系化。
- 1782年: ラタナコシン朝で現代編成確立。
- 1932年: 立憲君主制で音楽政策再編。
- 1971年: シーラパコン大学音楽学科設置。
- 2000年代: ピーパート国際公演。
派生・影響
タイ古典舞踊コーン・ラコーン・モハリの音楽的基盤、東南アジア青銅打楽器文化(クメール・ピンプアット、ラオ・サィン、ミャンマー・サインワイン)群との比較対象。
音楽的特徴
楽器ラナート・エーク、ラナート・トゥム、コン・ウォング、ピー・ナイ、タポーン、チン
リズムコン・ウォングの主旋律、ラナートの装飾、タポーンの拍導き
代表曲
- Khaek Mon Bang Khun Phrom (1980)
日本との関係
初めて聴くなら
『Khaek Mon Bang Khun Phrom』(古典行進曲)。寺院の祝日パレードで演奏される格調高い曲で、ピーパート・アンサンブルの威厳が最も表れている。朝方の澄んだ空気の中で聴くことを推奨。
豆知識
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- 伝統・民族モーラム
