神楽
日本神道の神事で奉納される音楽舞踊の総体。御神楽・里神楽の二大系統を持つ。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
御神楽を聴く場合は、笙の和音(17本の竹管が同時に鳴る扇形の楽器)の持続音と、篳篥の鋭い旋律が重なる音響に注目する。里神楽(特に石見)を見る場合は、太鼓と鉦のリズムパターンが踊りの速度とどう連動しているかを追う。八岐大蛇(ヤマタノオロチ)などの演目は、複数の演者が大きな衣装を着て役を演じるため、映像と合わせて見ると伝わりやすい。
発展
平安期に宮中御神楽の格式が定まり、中世以降は出雲・伊勢・修験道系統が地方に広まった。近世には能・歌舞伎との相互影響で里神楽の演劇化が進み、現代に至る各地の神楽が形成された。1970年代以降、岩手早池峰神楽・宮崎高千穂神楽・島根石見神楽が国の重要無形民俗文化財に指定された。
出来事
- 1002: 宮中御神楽の現存最古記録(『御堂関白記』)
- 1300頃: 出雲神楽が能の母胎となる
- 1976: 早池峰神楽、国重要無形民俗文化財指定
- 2019: 来訪神:仮面・仮装の神々、ユネスコ無形文化遺産登録(神楽含む)
派生・影響
能(申楽から発達)、歌舞伎の所作事、田楽、農村祭礼の獅子舞・田植え踊りなど日本芸能全般の祖型と密接に関連。
音楽的特徴
楽器篠笛、篳篥、和琴、拍子、神楽鈴、大太鼓、締太鼓
リズム拍子・流し節、神話舞踊、仮面、奉納形式
代表アーティスト
- 宮内庁式部職楽部
- Iwami Kagura Troupes (Shimane)
代表曲
Yamata no Orochi (Iwami Kagura) — Iwami Kagura Troupes (Shimane)
日本との関係
初めて聴くなら
石見神楽の「ヤマタノオロチ」(岩見神楽保存会)を映像で見る。太鼓と笛の激しいリズムと、大蛇の衣装を着た演者の動きが音楽の構造を視覚的に示してくれる。宮廷の御神楽を聴くなら、宮内庁楽部の録音から笙の音だけ追う。
