英国田園楽派
20世紀初頭英国で、田園的英国民謡素材を交響的書法に取り込んだ作曲家群。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
劇的なクライマックスより、旋律がどのくらい自然に息をするかを聴く。弦の弱音、木管の素朴な節、和音がはっきり解決しない柔らかさが鍵になる。静かな曲ほど、風景描写と内省が重なって聴こえる。
発展
ヴォーン・ウィリアムズ「タリスの主題による幻想曲」(1910)、「ロンドン交響曲」(1914)、「揚げひばり」(1914)、ホルスト「惑星」(1916)、バターワース「シュロップシャーの若者」、フィンジの宗教合唱、英国オラトリオ伝統が発展した。
出来事
- 1903: セシル・シャープ、英国民謡採集開始
- 1910: ヴォーン・ウィリアムズ「タリスの主題による幻想曲」
- 1916: ホルスト「惑星」作曲
- 1922: ヴォーン・ウィリアムズ「田園交響曲」(第3)
派生・影響
戦後の英国作曲家(ティペット、ブリテン、マックスウェル・デイヴィス)が田園楽派と批判的に対峙しつつ、その語法を再解釈した。
音楽的特徴
楽器管弦楽、合唱
リズム教会旋法、五音音階、田園的旋律
代表アーティスト
- グスターヴ・ホルスト
- レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ
代表曲
- The Lark Ascending — レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ (1920)
- タリスの主題による幻想曲 — レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ (1910)
- 揚げひばり — レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ (1914)
- 惑星 作品32 — グスターヴ・ホルスト (1916)
- 田園交響曲 — レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ (1922)
日本との関係
初めて聴くなら
まず「揚げひばり — レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ (1914)」。独奏ヴァイオリンと管弦楽の空気感が分かる。弦楽の深い響きなら「タリスの主題による幻想曲 — レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ (1910)」。大作としては「田園交響曲」も聴きたい。
豆知識
英国田園楽派は、ただの風景音楽ではない。第一次世界大戦前後の喪失感や、近代化の中で失われる土地への意識も含んでいるため、穏やかな響きの奥に深い影がある。 民謡収集の成果が作品の背後にあるため、単なる自然描写ではなく、失われつつある共同体の歌を管弦楽に移す試みとしても聴ける。
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- 伝統・民族イングリッシュ・フォーク・リバイバル
