バチャータ
20世紀半ばのドミニカ共和国で成立した、ロマンティックな歌とギターを特徴とする音楽。
まずはここから
ひとことで言うと20世紀半ばのドミニカ共和国で成立した、ロマンティックな歌とギターを特徴とする音楽。
まずはこの曲からJuan Luis Guerra — Bachata Rosa ▶ YouTube
代表的な人Juan Luis Guerra
どんな音か
失恋と酒場の夜を、しゃがれた声で語りかけるように歌うドミニカ共和国生まれのダンス音楽。基本編成は、レキント・ギター(高音域を弾く小型のリードギター。リクィントとも)、リズムを刻むギター、エレキベース、ボンゴ、そして金属の表面をこすって音を出す打楽器ギラの五つ。レキントはもともとナイロン弦だったが、1990年代以降はスチール弦やエレキ化が進んだ。テンポは、現代の都会派バチャータでBPM120〜140ほど。伝統的なバチャータはもう少し速く、140〜160が多い。意外にも、都会派のほうがテンポを落として一拍ごとの余韻で聴かせる。ヴォーカルは男性が中心で、歌詞はスペイン語、テーマは失恋、貧困、報われない恋、酒場の夜だ。リズムの骨格は、ギターを三回鳴らして一拍休む形(カッ・カッ・カッ・ウン)。その下でベースが拍を先取りしてダウンビートへ滑り込み、全体にゆったりした揺れが生まれる。
このジャンルを特徴づける代表的なリズムパターン。再生ボタンでループ再生し、下のリズム譜で今どの拍が鳴っているかを確認できます。
聴きどころ
まずレキント・ギター(高音ギター)の細かいフレーズを耳で追えば、それがバチャータの目印になる。その下で、リズムギターが三つ刻んで一つ休むパターン(カッ・カッ・カッ・ウン)を繰り返し、ボンゴが裏拍を強調する。ベースは拍を先取りしてダウンビートへ滑り込むので、その動きを追うとグルーヴが見えてくる。ヴォーカルが、声を震わせたり泣くように崩したりする歌い回しも特徴だ。ダンスは三歩進んで4拍目に腰でアクセントを入れる動きが基本になる。
初めて聴くなら
代表アーティスト
- Juan Luis Guerra
- Antony Santos
- Aventura
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- Romeo Santos
- Xtreme
代表曲
- Juan Luis Guerra — Bachata Rosa (1990)
- Antony Santos — Voy Pa'lla (1991)
生まれた背景
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1961年のトルヒーヨ暗殺で長い独裁が終わり、文化統制が緩むなかで、1962年、ホセ・マヌエル・カルデロンの録音がバチャータ最初の作品とされる。だが以後20年あまり、ラジオはこの音楽を流さず、娼館や安酒場の音と切り捨てた。1980年代にはルイス・バルガス(Luis Vargas)らが酒場のシーンを支えたが、転機は1990年代に訪れる。バークリー出身のフアン・ルイス・ゲーラが上品な詞と洗練された音で録音した『バチャータ Rosa』(1990)が、バチャータを中産階級にも認めさせ、国際的な聴衆を獲得した。2000年代には、ニューヨーク・ブロンクスで育った移民2世から生まれた都会派バチャータが、スペイン語と英語を行き来する若者の音として広まる。R&Bと融合させたAventura、その中心にいてソロでも大成功したロメオ・サントス、続くプリンス・ロイスらが、このジャンルを世界規模に押し上げた。
その後の代表曲
- Aventura — Obsesión (2002)
- Xtreme — Te Extraño (2006)
- Romeo Santos — Propuesta Indecente (2013)
日本との関係
豆知識
影響・派生で結ばれたジャンル
系譜図を見る
感触が近い系譜も地域も違うのに、聴くと通じるジャンル
バチャータが好きな人は、この6つも刺さる可能性が高いです。系譜図には出てこない、意外な隣人たち。
