タッパー
パンジャーブのラクダ駆りの歌から派生した、超高速装飾の準古典声楽。
まずはここから
ひとことで言うとパンジャーブのラクダ駆りの歌から派生した、超高速装飾の準古典声楽。
まずはこの曲からギリジャー・デーヴィー — Tappa in Raga Kafi
代表的な人ギリジャー・デーヴィー
どんな音か
タッパは、女性歌手による超高速装飾を特徴とする古典声楽形式。音域は非常に広く、低音から超高音まで、1曲の中で自由に行き来する。ハーモニウムとタビラ(ペアの太鼓)で伴奏されることが多い。リズムは複雑なターラ(リズム・サイクル)を基礎としており、その中での歌い手の自由度は相当に高い。音色は華やかで、装飾音の密度が非常に濃い。技巧性が最も重視される形式で、歌い手の修行度合いが最も直接的に表現される。
聴きどころ
超高速の装飾音がどのような旋律パターンを形成しているかを聴き分けること。ターラ(リズム・サイクル)の中での歌い手の自由性と、その制約の間の緊張関係を理解することが重要。各声部(サンガナ・ラッジュ)の役割も異なり、主旋律と伴奏の関係を感じ取ることで、古典音楽の構造が明らかになる。
初めて聴くなら
代表アーティスト
- ギリジャー・デーヴィー
代表曲
- ギリジャー・デーヴィー — Tappa in Raga Kafi (1985)
生まれた背景
タッパはパンジャーブ地方に起源し、ラクダ駆りたちの労働歌が、宮廷音楽に昇華された過程を示している。18世紀には既に古典形式として認識されており、その後、世俗的な快楽音楽から、より内省的な古典的深さを持つ形式へと進化した。
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20世紀のインド古典音楽復興運動の中で、タッパは『忘れられた古典形式』として再発見され、現在は女性声楽家による高度な技巧表現の場となっている。
音楽的特徴の詳細
楽器声、ターンプラ、タブラ、ハルモニウム
リズムザムザマ(連続装飾)、短い曲、超高速の旋律変奏
発展
20世紀には西ドゥルガーバーイー・パルワール・ニラート・ナラヤン・ゴーシュ・ギリジャー・デーヴィーらがタッパーを得意とした。ベンガル地方では「タッパー(ベンガル化したもの)」として独自の歌詞・節で発展した。
出来事
- 18世紀末: シャーリー・ミヤーンによる創始。
- 19世紀: ラクナウ宮廷での発展。
- 1815年頃: ニドゥ・ババーがベンガル・タッパー創作。
- 1970年代: ギリジャー・デーヴィーがタッパー定番化。
- 2000年代: タッパー消失危機論。
派生・影響
ベンガル・タッパー(ニドゥ・ババー作)・カヤールの装飾技法・ボリウッド古典歌の早回し旋律に影響した。
日本との関係
豆知識
タッパは『パンジャーブの愛の形式』とも呼ばれ、その歌詞は恋愛をテーマにしているものが多い。しかし、歌い手の技巧性が最も重視されるため、歌詞の意味よりも、音響的な複雑性が前面に出てくる。
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この矛盾は、インド古典音楽の『形式美と内容のディアレクティク』を象徴している。
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