交響詩
標題音楽の代表ジャンル。文学・絵画・思想を素材に、単一楽章の管弦楽作品で物語を描く。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
曲の題名や背景を少し知ってから聴くと入りやすい。川、英雄、夜明け、戦いなどのイメージが、どの楽器の音色で表されるかを追う。主題が形を変えて戻ることも多いので、最初に出た旋律が後半でどう変化するかに注目したい。
発展
リスト13曲の交響詩(「前奏曲」「タッソー」「マゼッパ」など)が出発点となり、スメタナ「我が祖国」、ボロディン「中央アジアの草原にて」、サン=サーンス「死の舞踏」、ドヴォルザーク、シベリウス、R.シュトラウス(「ドン・ファン」「ティル・オイレンシュピーゲル」「ツァラトゥストラはかく語りき」「英雄の生涯」「アルプス交響曲」)などが代表的傑作を残した。
出来事
- 1830: ベルリオーズ「幻想交響曲」初演
- 1854: リスト「前奏曲」初演
- 1874: スメタナ「我が祖国」より「モルダウ」
- 1898: R.シュトラウス「英雄の生涯」
派生・影響
20世紀の管弦楽標題作品(レスピーギ「ローマの松」、ガーシュウィン「アメリカ人 in パリ」)、映画音楽の管弦楽書法に直接影響を与えた。
音楽的特徴
楽器管弦楽
リズム単一楽章、主題変容、標題的構成
代表アーティスト
- フランツ・リスト
- ベドルジハ・スメタナ
- グスタフ・マーラー
- リヒャルト・シュトラウス
- グスターヴ・ホルスト
代表曲
- ツァラトゥストラはかく語りき 作品30 — リヒャルト・シュトラウス (1896)
- 前奏曲 — フランツ・リスト (1854)
- 我が祖国「モルダウ」 — ベドルジハ・スメタナ (1874)
- 英雄の生涯 作品40 — リヒャルト・シュトラウス (1898)
- 惑星 作品32 — グスターヴ・ホルスト (1916)
日本との関係
初めて聴くなら
描写が分かりやすい入口は「我が祖国『モルダウ』 — ベドルジハ・スメタナ (1874)」。壮大な開始で聴きたいなら「ツァラトゥストラはかく語りき 作品30 — リヒャルト・シュトラウス (1896)」。形式の出発点を知るなら「前奏曲 — フランツ・リスト (1854)」がよい。
豆知識
交響詩は詩を朗読する音楽ではない。詩的な題材をオーケストラに移した音楽で、ストーリーを一対一で説明するより、聴き手の想像を動かす余地が大きい。リスト以後、単一楽章の中で主題を変形させる技法が発達し、映画音楽のように場面を音でつなぐ発想にも近い。
