宗教・霊歌

韓国仏教声明(梵唄)

Korean Buddhist Chant (Beompae)

ソウル(奉元寺) / 韓国 / 東アジア · 800年〜

別名: 범패

韓国仏教(主に曹渓宗・太古宗)の儀礼で行われる、漢文経典の旋律的詠唱伝統。

どんな音か

韓国仏教声明、梵唄は、漢文経典を旋律的に唱える声の伝統。声は日本声明よりも強く張られる場面があり、節回しには細かな揺れと長い伸ばしがある。儀礼によっては太鼓、鉦、木魚、舞が伴い、声だけの静けさより、法会全体の動きの中で響く音楽として聴こえる。

生まれた背景

朝鮮半島の仏教儀礼の中で受け継がれてきた伝統で、曹渓宗や太古宗の法会と深く関係する。特に霊山斎は、声、器楽、舞、供養の所作を含む総合的な儀礼として知られる。中国から伝わった仏教儀礼を受け入れながら、韓国語圏の発声、旋律、儀礼の感覚に合わせて独自の形を作ってきた。

聴きどころ

まず独唱的な声と合唱的な応答の違いを聴くとよい。長く伸ばす音の途中で、声がまっすぐではなく波のように揺れる。打楽器が入る場面では、リズムを曲のビートとして追うより、儀礼の所作を支える合図として聴くと流れが分かる。

発展

朝鮮王朝期(1392-1910)に儒教国家政策で仏教は周縁化されたが、寺院内で詠唱伝統は維持された。1973年に重要無形文化財第50号に指定され、ソウル奉元寺などが保存中心地となる。2009年ユネスコ無形文化遺産『霊山齋(ヨンサンジェ)』として登録された。

出来事

  • 830: 真鑑禅師、唐から梵唄を伝来
  • 1973: 韓国重要無形文化財第50号指定
  • 2009: 霊山齋、ユネスコ無形文化遺産登録

派生・影響

韓国伝統音楽『国楽』の声楽様式(パンソリ・宮廷雅楽歌)に旋法的影響を残し、現代韓国宗教音楽・寺院音楽の核として機能する。

音楽的特徴

楽器男声(独唱・斉唱)、太鼓、シンバル、磬

リズム自由リズム、呼応唱、ホッソリ・チッソリ様式、漢文経典

代表アーティスト

  • Bongwon-sa Temple Beompae Choir韓国 · 1973年〜

代表曲

日本との関係

日本では韓国仏教文化、東アジアの声明比較、ユネスコ無形文化遺産関連の紹介を通じて触れられることがある。日本声明と同じく仏教声楽だが、発声の張り、儀礼における舞や器楽との関係は異なる。東アジアの仏教音楽を横に並べて聴くと違いが見えやすい。

初めて聴くなら

入口には「Yeongsanjae Beompae — Bongwon-sa Temple Beompae Choir」。声だけに集中するより、儀礼の場面を想像しながら、太鼓や鉦が入る位置を聴くとよい。短い抜粋ではなく、少し長めに流れを追う方が向いている。

豆知識

梵唄の「梵」はサンスクリットや仏教世界を連想させる字で、韓国語ではポンペ、またはボンペに近い発音で紹介される。日本語の声明と同じ漢字文化圏の仏教音楽だが、音の揺れ方はかなり違う。2009年には霊山斎がユネスコ無形文化遺産に登録され、舞、供養、声明を含む総合的な仏教儀礼として国際的にも知られるようになった。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図100年代250年代800年代韓国仏教声明(梵唄)韓国仏教声明(梵唄)巫楽(ムアク・グッ)巫楽(ムアク・グッ)梵唄(ファンバイ)梵唄(ファンバイ)凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
韓国仏教声明(梵唄)を中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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