古典

イタリア・ロマン派オペラ

Italian Romantic Opera

イタリア / 南欧 · 1810〜1920年

19世紀イタリアの中心的オペラ伝統。ベルカントから後期ヴェルディに至る。

どんな音か

イタリア・ロマン派オペラは、声の旋律で感情を大きく動かす19世紀イタリアの舞台音楽。ヴェルディでは合唱、アリア、重唱が政治や家族のドラマを強く押し出し、プッチーニでは弦の甘さと声の高揚が恋や死を近くに引き寄せる。ベルカントの滑らかな歌から、後期の劇的なオーケストラ書法まで幅がある。

生まれた背景

1810年代から20世紀初頭にかけて、イタリアの劇場文化、歌手のスター性、統一運動の時代背景とともに発展した。ロッシーニ、ドニゼッティ、ベッリーニのベルカントから、ヴェルディの国民的な劇場性、プッチーニのヴェリズモ的な感情表現へ流れが続く。オペラハウスは社交の場であり、政治的な熱も帯びた。

聴きどころ

まず声がどこで息を長く保ち、どこで感情を爆発させるかを聴く。アリアだけでなく、二人以上が同時に違う思いを歌う重唱も重要だ。オーケストラは歌の下で細かく心理を動かし、前奏や間奏だけで場面の空気を決めることもある。

発展

ロッシーニ「セビリアの理髪師」(1816)、ベッリーニ「ノルマ」(1831)、ドニゼッティ「ランメルモールのルチア」(1835)がベルカント期を作り、ヴェルディが「ナブッコ」「リゴレット」「椿姫」「アイーダ」「オテロ」「ファルスタッフ」と発展、最後にプッチーニ「ラ・ボエーム」「トスカ」「蝶々夫人」「トゥーランドット」が伝統を集大成した。

出来事

  • 1816: ロッシーニ「セビリアの理髪師」初演
  • 1842: ヴェルディ「ナブッコ」初演
  • 1853: ヴェルディ「椿姫」初演
  • 1896: プッチーニ「ラ・ボエーム」初演

派生・影響

ヴェリズモ、20世紀イタリア・オペラ(マスカーニ、レオンカヴァッロ)、世界中のオペラ書法に決定的影響を与えた。

音楽的特徴

楽器独唱、合唱、管弦楽

リズムベルカント、レチタティーヴォ、二部構成のアリア

代表アーティスト

  • ジョアキーノ・ロッシーニイタリア · 1810年〜1868
  • ジュゼッペ・ヴェルディイタリア · 1839年〜1901
  • ジャコモ・プッチーニイタリア · 1880年〜1924
  • ピエトロ・マスカーニイタリア · 1885年〜1945

代表曲

日本との関係

日本ではクラシック公演、オペラ団体、音楽大学で中心的なレパートリーとして定着している。「椿姫」「ラ・ボエーム」「トスカ」は上演や映画館ライブビューイングでも触れやすい。声楽を学ぶ人にとってイタリア語オペラは避けて通れない。

初めて聴くなら

物語に入りやすいのは「椿姫 — ジュゼッペ・ヴェルディ (1853)」。劇的な暗さなら「リゴレット — ジュゼッペ・ヴェルディ (1851)」。旋律の甘さと涙を味わうなら「ラ・ボエーム — ジャコモ・プッチーニ (1896)」がよい。

豆知識

イタリア・オペラでは、歌手の声質によって役柄の印象が大きく変わる。楽譜だけでなく、誰が歌うか、どの劇場で鳴るかが作品の歴史を作ってきた。アリアだけが有名になりがちだが、レチタティーヴォ、重唱、合唱、管弦楽の前奏がつながって初めて舞台の呼吸が生まれる。

影響・派生で結ばれたジャンル

イタリア・ロマン派オペラを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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イタリア · 1810年前後 (±25年)

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