ヴェリズモ
1890年代イタリアで興った、現実の市井の人々の激情を描くオペラ運動。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
上品な形式より、言葉と旋律が一気に感情へ向かう瞬間を聴く。短い動機、厚いオーケストラ、強い高音が、登場人物の追い詰められた心理を押し出す。美しいアリアだけを抜き出すと甘く聴こえるが、劇全体では嫉妬や社会的圧力が音楽を動かしている。間奏曲の静けさも効果的である。
発展
マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」(1890)、レオンカヴァッロ「道化師」(1892)が双璧で、両者はしばしばカップリングで上演される。プッチーニはヴェリズモ的要素を取り入れつつ、より洗練された劇場感覚で「トスカ」(1900)「蝶々夫人」(1904)を書いた。ジョルダーノ「アンドレア・シェニエ」、チレア「アドリアーナ・ルクヴルール」も代表作。
出来事
- 1890: マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」初演
- 1892: レオンカヴァッロ「道化師」初演
- 1900: プッチーニ「トスカ」初演
- 1926: プッチーニ「トゥーランドット」初演(未完)
派生・影響
20世紀イタリア・オペラ全体に影響を残し、映画音楽の劇的書法、ミュージカルの感情表出にも影響している。
音楽的特徴
楽器独唱、合唱、管弦楽
リズム短い構成、激情的叙情、市井の題材
代表アーティスト
- ジャコモ・プッチーニ
- ピエトロ・マスカーニ
代表曲
- カヴァレリア・ルスティカーナ — ピエトロ・マスカーニ (1890)
- 道化師 (1892)
- アンドレア・シェニエ (1896)
- 蝶々夫人 — ジャコモ・プッチーニ (1904)
日本との関係
初めて聴くなら
入口は「カヴァレリア・ルスティカーナ — ピエトロ・マスカーニ (1890)」。合唱、間奏曲、嫉妬の悲劇がコンパクトにまとまっている。続けて「道化師」で舞台と現実が壊れる怖さを、「蝶々夫人 — ジャコモ・プッチーニ (1904)」でヴェリズモ的な感情と異国趣味の交錯を聴くとよい。
豆知識
ヴェリズモは真実らしさを意味するが、舞台上では現実をそのまま写すだけではない。短い時間に事件を圧縮し、歌で感情を最大化することで、現実以上に現実らしく感じさせる。そこにオペラならではの誇張がある。
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- エレクトロニック未来派音楽
