ポップ

ズーグル

Zouglou

アビジャン / コートジボワール / 西アフリカ · 1990年〜

1990年代初頭コートジボワール・アビジャンの大学キャンパスから生まれた、社会風刺を弾むリズムに乗せて歌う若者音楽。

どんな音か

ズーグルは、1990年代初頭のコートジボワール、アビジャンの大学キャンパスから生まれた若者音楽。弾むリズム、合唱的な掛け合い、日常語による社会風刺が特徴である。学生生活の苦労、政治への不満、恋愛、都市の笑いを、踊れる形で歌う。Magic Systemはこの音楽を国際的なポップへ押し広げた代表的グループである。

生まれた背景

経済危機や学生運動の空気の中で、大学生たちが身近な言葉と踊りで自分たちの状況を表現した。初期ズーグルは、洗練されたスタジオ音楽というより、集団で歌い踊るキャンパス文化に近かった。1990年代後半以降、クーペ・デカレなど新しいイボワール音楽とも並びながら、国内外のポップ市場へ広がった。

聴きどころ

リードボーカルとコーラスの掛け合いを聴く。メッセージは真面目でも、リズムは軽く、踊りのユーモアがある。ギターや打楽器は複雑に主張しすぎず、合唱が前に出る余白を作る。フランス語や現地語の意味が分からなくても、集団で返す声とステップの感じから、社会的な歌であることが伝わる。

発展

1991年のレ・パラン・ドゥ・ヴァヴェルが商業ヒットを記録し、1998年のマジック・システム『プルミエ・ガウ』が翌年フランスで爆発的にヒット、ズーグルは仏語圏アフリカと欧州ディアスポラに広まった。クペ・デカレやアフロ・ハウスへの素材提供を行いつつ、社会批評ジャンルとしてのアイデンティティを保つ。

出来事

  • 1990: 学生運動から発生
  • 1991: レ・パラン・ドゥ・ヴァヴェル録音
  • 1998: マジック・システム『プルミエ・ガウ』
  • 2003: 仏ビクトワール賞ノミネート

派生・影響

クペ・デカレ、ロゴベ、コンゴ・ンドンボロ、フレンチ・カリブ・ズークと交流。

音楽的特徴

楽器ジャンベ、コンガ、ギター、シンセ、声(複数)

リズム中速8ビート、ヌシャ語コーラス、手拍子

代表アーティスト

  • Magic Systemコートジボワール · 1996年〜

代表曲

日本との関係

日本ではMagic Systemの「Magic in the Air」がサッカーやイベント経由で耳に入った人もいるが、ズーグルとしての文脈はあまり知られていない。西アフリカの都市ポップフランス語圏アフリカの音楽、サッカー文化を結ぶ入口になる。日本のリスナーには、明るい曲調の奥に学生や都市生活者の風刺がある点が新鮮だ。

初めて聴くなら

入口は「Premier Gaou — Magic System (1999)」。親しみやすいメロディと語り口で、ズーグルポップ化する瞬間が分かる。続けて「ズーグル Dance — Magic System (2002)」で踊りの側面を、「Bouger Bouger — Magic System (2007)」で国際的なダンスポップへの展開を聴くとよい。

豆知識

ズーグルは音楽だけでなく、踊りや身振りを伴う文化として始まった。学生が困難を笑いに変え、仲間と声を合わせるための表現だったため、政治的な批評と娯楽が自然に同居している。そこが単なる陽気なアフロポップとの違いである。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1990年代2000年代ズーグルズーグルクペ・デカレクペ・デカレ凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ズーグルを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

ズーグル の系譜全体図(多段)を見る

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