未来派音楽
1910年代イタリアで興った未来派運動の音楽部門。機械音・騒音を肯定的に取り入れた最初期の試み。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
旋律や和声の完成度より、何を音楽と見なすかの転換を聴く。再現録音では機械的なうなりや轟音が中心になる。ヴァレーズの「イオニザシオン」を聴くと、打楽器だけで音響の建築を作る発想が未来派以後の耳に近いことが分かる。
発展
ルッソロ「騒音の芸術」(1913)の宣言、1914年のミラノ・コンサートでイントナルモーリが演奏され騒動となった。プラテッラ、フランチェスコ・バリッラ・プラテッラの作品も書かれたが、第一次世界大戦と戦後ファシズムへの傾斜で運動は衰退した。
出来事
- 1909: マリネッティ「未来派宣言」
- 1913: ルッソロ「騒音の芸術」
- 1914: ミラノ、イントナルモーリ・コンサート
- 1931: ヴァレーズ「イオニザシオン」(騒音文化の継承)
派生・影響
ヴァレーズ「イオニザシオン」(1931)、ミュジーク・コンクレート、20世紀後半のノイズ音楽、ジャパノイズに至る騒音受容の歴史的出発点となった。
音楽的特徴
楽器イントナルモーリ、騒音発生装置
リズム騒音、機械音響、非楽音的素材
代表アーティスト
- ルイジ・ルッソロ
- エドガー・ヴァレーズ
代表曲
- Risveglio di una città — ルイジ・ルッソロ (1913)
- イオニザシオン — エドガー・ヴァレーズ (1931)
L'arte dei Rumori — ルイジ・ルッソロ (1913)
Convegno dell'automobile e dell'aeroplano — ルイジ・ルッソロ (1914)
Convegno di automobili e di aeroplani — ルイジ・ルッソロ (1914)
日本との関係
初めて聴くなら
歴史的な再現として「Risveglio di una città — ルイジ・ルッソロ (1913)」に触れたい。思想を読むなら「L'arte dei Rumori — ルイジ・ルッソロ (1913)」が背景になる。音楽作品としての迫力を聴くなら「イオニザシオン — エドガー・ヴァレーズ (1931)」が入りやすい。
豆知識
未来派音楽は、残された録音よりマニフェストの影響が大きい。騒音を音楽の外に追い出さず、近代生活そのものの音として受け入れた点で、20世紀音楽の聴く範囲を広げた。
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- 古典ヴェリズモ
