ロック・メタル

ロシアン・ドゥーマー

Russian Doomer

ロシア/ベラルーシ / 東ヨーロッパ · 2010年〜

ベラルーシ・ロシアのポスト・ソ連系ポストパンク/コールドウェイブをDoomerウェイヴ文化が再ブランド化したサブシーン。

どんな音か

1980年代ソ連のポストパンク・コールドウェイブをベースに、低く沈んだボーカル(時にウィスパー)、シンセの単調な旋律、ドラムは最小限。歌詞はロシア語で『絶望』『都会の孤独』『存在の虚無感』を扱う。音全体として『希望がない』ことが前提で、その中での『静かな抵抗』を表現。2010年代の若い世代が、ポスト・ソ連の『空しさ』を音楽化した。

生まれた背景

1980年代ソ連ではシューゲイザーやニューウェイヴが西側メディアを通じて浸透。その後ソ連崩壊、ロシア・ベラルーシの経済的混乱を経て、2000年代から『ポストパンク・リバイバル』が起こる。Molchat Doma『Etazhi』(2017) が TikTok 経由で 2018 年頃に再発見されると、『ロシアン・ドゥーマー』というカテゴリーがネット上で非公式に形成。Doomer(絶望的な若者)文化の『音声化』。

聴きどころ

ボーカルの『無感情さ』を体験する。Molchat Doma『Sudno』(2018) では、歌詞内容の『グロテスク』さと、音声表現の『淡々さ』のズレが重要。Motorama『Native Tongue』(2010) は比較的『感情的』で、相対的な美しさが浮かび上がる。ドラムの『乾いた』音に注目。

発展

TikTokを介して西側ティーンに大量輸出され、Doomerウェイヴ・プレイリストの中核となった。

出来事

  • 2010: Motorama『Alps』 / 2017: Molchat Doma台頭

派生・影響

Post-punk、Cold Wave、Doomer Wave、New Wave。

音楽的特徴

楽器ギター、ベース、ドラムマシン、シンセ、声

リズム中速、ポストパンク・グルーヴ、暗い旋律

代表アーティスト

  • Motoramaロシア · 2005年〜
  • Molchat Domaベラルーシ · 2017年〜

代表曲

日本との関係

2010年代後半、ニコニコ動画の『絶望的な夜間ツイート民』層が ロシアン・ドゥーマー を発見・共有。アニメ・ゲーム文化との直接的な連携はないが、『日本のネット文化の孤独さ』と『ロシアの虚無感』の相互認識が生まれた。

初めて聴くなら

Molchat Doma『Etazhi』(2017) は短く(2 分 30 秒)、この音の本質が濃縮。落ち着いて聴くなら Motorama『Молодость』(2014)。

豆知識

『Molchat Doma』はロシア語で『無言の家』『沈黙の館』。『Etazhi』は『階(階段)』を意味し、『社会の階級』『建物の階層』の両義性がタイトルに内包。Doomer は『Millennial』に対する自嘲的な造語で、『世代的な絶望』を象徴。

影響・派生で結ばれたジャンル

ロシアン・ドゥーマーを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

ロシアン・ドゥーマー の系譜全体図(多段)を見る

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