ニャック・タイトゥ
ベトナム南部のアマチュア室内楽。古典宮廷音楽の南部展開。
どんな音か
ニャック・タイトゥは編成が流動的で、5〜10名程度の楽器奏者と歌手が参加する。使用される楽器は琵琶、杖鼓(つえこ)、月琴など中国由来のものが多い。全体のテンポはゆっくりで、各楽器が自由に装飾を加える即興性を持つ。ドローン弦が基音を提供し、その上で旋律楽器が絡む。歌唱は穏やかで、器楽の輝かしさと対比する。録音技術の関係で、多くの音源は静寂に近い環境で録音されており、細微な音響まで聞き取ることができる。
聴きどころ
複数の楽器がどのようにボーカルと相互作用するか。各楽器が全く異なるリズムを演奏しているように聞こえながらも、実際には微妙な調和が成立していること。静寂と音の配置。器楽間の音色のコントラスト。
初めて聴くなら
『Da Co Hoai Lang』伝統的な演奏版(複数の録音がある)。静かな場所で、瞑想的な気分で聴くことが適切。昼間の日中より、夜間に聴くとこの音楽の本質がより伝わる。
代表アーティスト
- Trịnh Công Sơn
- Khánh Ly
代表曲
- Da Co Hoai Lang (1920)
生まれた背景
音楽的特徴の詳細
楽器ダン・キム、ダン・トラン、ダン・ニ、ダン・バウ、ダン・コー、声
リズム南部独自旋法(オアン・ナム)、即興的合奏、20の祖曲レパートリー
発展
20世紀前半に紙幣変更の中で都市知識人のサロン音楽として広まり、戦後の南北分裂期にも継承された。改革開放後の1990年代以降にユネスコ調査が進み、2013年に無形文化遺産登録された。
出来事
- 1860年代: 阮朝音楽家の南遷。
- 1900年代: 都市サロン音楽として確立。
- 1917年: カイ・リュン(改良劇)初演。
- 1986年: ドイモイ政策で文化復興。
- 2013年: ユネスコ無形文化遺産代表一覧表に登録。
派生・影響
カイ・リュン(改良劇)の音楽的母体、現代ベトナム室内楽創作、海外ベトナム人コミュニティ(米国カリフォルニア)の文化アイデンティティの一翼。
日本との関係
豆知識
ニャック・タイトゥは『素人音楽』という意味で、楽器奏者も歌い手も本職の音楽家ではなく、生活のかたわら音楽を愛好する人々である。このため、演奏スタイルは流動的で、地域や演奏者によって大きく異なる。
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ベトナム戦争中、この伝統は一度は消滅しかけたが、戦後に復活した。
影響・派生で結ばれたジャンル
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感触が近い系譜も地域も違うのに、聴くと通じるジャンル
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