カイ・リュン
20世紀初頭ベトナム南部で生まれた、伝統と西洋を融合した改良劇。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
歌の節回しが台詞の感情をどう引き伸ばすかを聴きたい。低い声で語ったあと、急に高い音へ泣き上げる瞬間、弦が声の後ろで細かく震える瞬間にドラマが宿る。打楽器の合図や間の取り方も、舞台上の動きと結びついている。
発展
1920〜30年代に黄金期を迎え、トゥアン・タイ・サウ・ラウ・トゥアン・ナムら名俳優が活躍した。戦後も南北双方で継承され、改革開放後はテレビドラマ化やプロムジカルとの融合が進んだ。
出来事
- 1917年: 『キム・タン・ハ・キム・タン・ハ』初演。
- 1920年代: サイゴン黄金期。
- 1976年: 南北統一後の継承。
- 1990年代: テレビドラマ化。
- 2010年代: 若手による現代化試み。
派生・影響
現代ベトナム・テレビドラマの作劇法・歌唱法、海外ベトナム人ディアスポラの娯楽の中核、現代ベトナム・ポップへの旋律的影響源。
音楽的特徴
楽器ダン・キム、ダン・トラン、ダン・コー、ダン・バウ、ヴァイオリン、ピアノ(西洋楽器)、声
リズムヴォン・コの定型旋律、南部方言詞章、近代戯曲構成
代表アーティスト
- Thanh Nga
- Lệ Thủy
代表曲
- Bên Cầu Dệt Lụa — Thanh Nga (1976)
Đời Cô Lựu — Lệ Thủy (1972)- Lan và Điệp — Thanh Nga (1974)
- Tô Ánh Nguyệt — Lệ Thủy (1975)
- Tiếng Trống Mê Linh (1977)
- Tiếng Trống Mê Linh — Thanh Nga (1977)
日本との関係
初めて聴くなら
舞台の熱を知るなら「Tiếng Trống Mê Linh — Thanh Nga (1977)」。叙情的な歌を聴くなら「Đời Cô Lựu — Lệ Thủy (1972)」。物語性に入りたい場合は、短い抜粋より一幕分の映像を見ながら聴く方が表情や間が分かる。
豆知識
Cải lươngは直訳すると改良、刷新の意味を持つ。伝統を保存するためだけの芸能ではなく、新しい都市の観客に向けて作り替えられた舞台音楽だったことが名前に残っている。名場面だけを録音で聴くより、舞台上で登場人物が台詞から歌へ移る瞬間を見ると、このジャンルの「カイ・リュン」としての性格がよく分かる。
