エレクトロニック

フィールド・レコーディング音楽

Field Recording / Phonography

国際 / 北米 · 1970年〜

現実音響を録音し作品として提示する実践。Phonographyとも。

どんな音か

フィールド・レコーディング音楽は、森、都市、海、動物、機械、人の声など、現実の音を録音して作品として提示する実践。楽器で演奏する代わりに、マイクの位置、時間帯、場所の選び方が作曲に近い役割を持つ。Chris Watsonの録音では自然環境が立体的に現れ、Francisco Lópezでは音源が抽象化され、場所が耳の中で変形する。

生まれた背景

録音機材の小型化とともに、1970年代以降、音楽、音響生態学、サウンドアート、ドキュメンタリーの間で広がった。鳥の声を記録する自然録音から、都市の騒音を作品化する実験まで幅広い。録音された現実をそのまま聴かせるのか、編集で新しい構成にするのかで作品の性格が変わる。

聴きどころ

何が鳴っているかを当てるだけでなく、距離と空間を聴く。近くの虫、遠くの車、風で揺れる木、録音者の動きが一つの場を作る。ヘッドホンで聴くと、マイクがどこに置かれていたか、音がどの方向から来るかが分かりやすい。

発展

Cronica、Gruenrekorder、and/OARなどのレーベルがシーン化。2000年代以降、ギャラリーや音響インスタレーションへも拡張した。

出来事

  • 1977: Schafer『The Tuning of the World』 / 2003: Chris Watson『Weather Report』

派生・影響

Ambient、Sound Art、Lowercase、Drone。

音楽的特徴

楽器フィールドレコーダー、ハイドロフォン、コンタクトマイク

リズム現実音響時間、編集による構造化

代表アーティスト

  • Chris Watsonイギリス · 1971年〜
  • Francisco Lópezスペイン · 1980年〜

代表曲

日本との関係

日本では環境音楽、サウンドスケープ研究、ASMR、自然録音の文脈で受け入れられている。都市の駅音、祭り、里山、雨音を録る作家も多い。音楽作品としてだけでなく、消えゆく環境や地域の記録としても意味を持つ。

初めて聴くなら

入口は「Weather Report — Chris Watson (2003)」。自然の時間が組曲のように聴こえる。熱帯雨林の濃密な録音として「La Selva — Francisco López (1998)」。より暗く没入的に聴くなら「Stepping into the Dark — Chris Watson (1996)」もよい。

豆知識

フィールド・レコーディングでは、録音者が何を聴くかを選んだ時点で作品が始まっている。現実の音だから客観的というわけではなく、マイクの向きや編集によって世界の見え方が変わる。

同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

国際 · 1970年前後 (±25年)

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