エンデフノ
高名な詩人の言葉をブズーキの管弦楽に乗せた、ギリシャの「芸術的大衆歌」。
どんな音か
生まれた背景
1950年代末から60年代、作曲家テオドラキスとハジダキスが、下層の音楽とされたブズーキを芸術音楽の領域へ引き上げようとしたことから生まれた。テオドラキスは大詩人の作品に曲を付け、芸術性のある歌を人々の口に乗せた。映画音楽との結びつきも深い。
聴きどころ
ブズーキの土着的な響きと、弦楽器や合唱による格調高いアレンジの対比に注目したい。歌詞が文学作品であることを知ると、言葉とメロディの密度が違って聴こえる。シルタキのように徐々にテンポを上げていく構成も聴きどころ。
発展
テオドラキスは1967年からの軍事独裁(コロネルズ政権)に抵抗し、その歌は抵抗の象徴となった。ハジダキスは映画『日曜はダメよ』の主題歌でアカデミー歌曲賞を受賞し、エンデフノを国際的に知らしめた。
出来事
- 1960年: マノス・ハジダキスの「Ta Paidia tou Peiraia(日曜はダメよ)」がアカデミー歌曲賞を受賞する。
- 1962年: テオドラキスの「To Gelasto Paidi」が発表される。
- 1964年: 映画『その男ゾルバ』のためテオドラキスが「Zorba's Dance(シルタキ)」を作曲する。
派生・影響
後続の作曲家たちがこの様式を引き継ぎ、現代ギリシャの「クオリティ・ポップ」へと発展した。文学と大衆音楽を橋渡しする手法は今も影響を残す。
音楽的特徴
楽器ブズーキ、管弦楽、ギター、ピアノ、合唱
リズムギリシャ舞踊のリズム(シルタキ、ハサポセルビコ)とクラシック的な構成の融合
代表アーティスト
- Manos Hatzidakis
- Mikis Theodorakis
代表曲
- Ta Paidia tou Peiraia — Manos Hatzidakis (1960)
- To Gelasto Paidi — Mikis Theodorakis (1962)
- Zorba's Dance (Sirtaki) — Mikis Theodorakis (1964)
日本との関係
初めて聴くなら
誰もが知る「Zorba's Dance(シルタキ)」が入り口として最適。歌のあるエンデフノに進むならテオドラキスの「To Gelasto Paidi」がよい。
豆知識
テオドラキスは1967年からの軍事独裁政権下で逮捕・投獄され、その歌は禁じられた。彼の音楽は抵抗の象徴となり、政治と芸術が一体になった稀有な例として記憶されている。
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- 伝統・民族ライコ
