イギリス・マドリガル楽派
1588〜1627年頃に英国で花開いた、イタリア・マドリガーレを翻案した独自の合唱学派。
まずはここから
ひとことで言うと1588〜1627年頃に英国で花開いた、イタリア・マドリガーレを翻案した独自の合唱学派。
まずはこの曲からトーマス・モーレー — Now Is the Month of Maying ▶ YouTube
代表的な人ジョン・ダウランド
どんな音か
イギリス・マドリガル楽派は、16世紀末から17世紀初頭のイングランドで花開いた世俗合唱の潮流。イタリア・マドリガーレの影響を受けつつ、英語の言葉遊び、牧歌的な明るさ、家庭で歌える親しみやすさを持つ。トーマス・モーレーやトーマス・ウィールクスの作品は、声の軽快な掛け合いが魅力である。
聴きどころ
英語の単語に合わせて声がどう動くかを聴く。上へ行く言葉で旋律が上がり、笑いや鳥の声で短い音型が跳ねるなど、言葉と音の結びつきが分かりやすい。無伴奏で各声部が対等に動くため、ソプラノだけでなく中声部の返しにも耳を向けたい。数分の小品が多く、初めてでも入りやすい。
初めて聴くなら
入口は「Now Is the Month of Maying — トーマス・モーレー (1595)」。春の明るさと軽いリズムが分かりやすい。より技巧的な記念作品として「As Vesta Was from Latmos Hill Descending — トーマス・ウィールクス (1601)」、言葉の絵画的な扱いを知るなら「Fair Phyllis I Saw」もよい。
代表アーティスト
- ジョン・ダウランド
- トーマス・モーレー
- トーマス・ウィールクス
代表曲
- トーマス・モーレー — Now Is the Month of Maying (1595)
- Fair Phyllis I Saw (1599)
- トーマス・ウィールクス — As Vesta Was from Latmos Hill Descending (1601)
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- Sweet Honey-Sucking Bees (1609)
生まれた背景
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イタリア作品より深刻さを抑え、春、恋、自然を明るく歌う作品も多い。
音楽的特徴の詳細
楽器4〜6声合唱、リュート
リズム短い有節形式、明朗な舞踏的拍節
発展
1601年「The Triumphs of Oriana」(モーレー編、エリザベス女王賛美のマドリガーレ集)で楽派は頂点を迎えた。ウィールクスの劇的書法、ウィルビーの繊細な抒情がそれぞれ高みを示した。チャールズ1世期以降は「リュート歌(エア)」やヴァース・アンセムへ重心が移り、独自路線は1620年代に終焉した。
出来事
- 1588: 「Musica Transalpina」出版
- 1597: モーレー「マドリガル入門」
- 1601: 「The Triumphs of Oriana」
- 1612: ウィールクス「マドリガーレ集」、楽派の頂点
派生・影響
ダウランドのリュート歌、パーセル世代のオード・アンセム、20世紀英国合唱(ヴォーン・ウィリアムズ、ブリテン)が、自然描写と詩情の伝統を継承した。
日本との関係
豆知識
イギリス・マドリガルは、しばしば家庭で歌うための社交音楽でもあった。現在の合唱曲として聴くと演奏会向けに感じるが、当時は楽譜を囲み、複数人で声を合わせる知的な娯楽でもあった。
影響・派生で結ばれたジャンル
系譜図を見る
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