フランス・オペラ(バロック)
リュリがルイ14世の宮廷で確立した、フランス独自の壮麗な悲劇歌劇。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
発展
リュリの「カドミュスとエルミオーヌ」(1673)以降、毎年オペラ初演が宮廷の儀式となった。ラモーは「イポリトとアリシ」(1733)で和声論に裏付けられた革新的書法を持ち込み、リュリ派とラモー派の論争を引き起こした。グルックがウィーン式改革オペラをパリに持ち込み(1774)、後の「ピッチン二派・グルック派」論争を経て、フランス・グランド・オペラへ橋渡しされた。
出来事
- 1673: リュリ「カドミュスとエルミオーヌ」初演
- 1733: ラモー「イポリトとアリシ」初演
- 1752: 「ブッフォン論争」、イタリア/フランス・オペラ論争
- 1774: グルック「アウリスのイフィジェニー」パリ初演
派生・影響
19世紀フランス・グランド・オペラ(マイヤベーア)、フランス・リリック・オペラ(グノー、マスネ)、さらにはドビュッシー「ペレアスとメリザンド」のフランス語朗唱志向にまで遠く影響している。
音楽的特徴
楽器独唱、合唱、管弦楽、舞踊
リズムプロローグ+5幕、ディヴェルティスマン、フランス式レシ
代表アーティスト
- ジャン=バティスト・リュリ
- ヘンリー・パーセル
- ジャン=フィリップ・ラモー
- クリストフ・ヴィリバルト・グルック
代表曲
- アティス — ジャン=バティスト・リュリ (1676)
- アルミード — ジャン=バティスト・リュリ (1686)
- イポリトとアリシ — ジャン=フィリップ・ラモー (1733)
- カストールとポリュックス — ジャン=フィリップ・ラモー (1737)
日本との関係
初めて聴くなら
入口は「アルミード — ジャン=バティスト・リュリ (1686)」。悲劇、魔法、朗唱、舞曲の要素がそろっている。管弦楽の華やかさを知るなら「イポリトとアリシ — ジャン=フィリップ・ラモー (1733)」、感情表現の深さを聴くなら「カストールとポリュックス — ラモー (1737)」がよい。
豆知識
このジャンルでは踊りが余興ではなく、オペラ構造の一部である。フランス宮廷では舞踏が政治的な身体作法でもあったため、舞曲の整ったリズムは王権の秩序を音で示す役割も担った。
