古ローマ聖歌
ローマ市内の教皇・教区教会で伝承されてきたラテン聖歌で、グレゴリオ聖歌とは異なる旋律体系を持つ。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
発展
12世紀末に教皇庁聖歌隊もフランク=グレゴリオ系に切り替わり、13世紀以降は写本伝承も途絶した。20世紀の音楽学者ブルーノ・シュテーブラインらによる比較研究で、ローマ独自伝統として再評価され、現在は古楽演奏で部分的に復元されている。
出来事
- 8世紀: ローマ・スコラ・カントルムでこの伝統が成熟
- 1071: ローマ写本Vat. lat. 5319、現存最古の記譜資料
- 1950頃: シュテーブラインが古ローマ聖歌の独自性を提唱
派生・影響
グレゴリオ聖歌成立過程を解明する鍵となる伝統であり、近年の演奏実践は中世音楽研究全体に新たな視座を与えた。
音楽的特徴
楽器男声斉唱(無伴奏)
リズム自由リズム、装飾的旋律、独自詩篇トーン
代表アーティスト
- Ensemble Organum
代表曲
Chant Vieux-Romain — Ensemble Organum (2006)
日本との関係
初めて聴くなら
Ensemble オルガヌムの「Chant Vieux-Romain」(2006年録音)を、ヘッドフォンよりも軽く音量を上げたスピーカーで空間に流す聴き方を勧める。音の意味より声が石の空間に溶けていく質感に集中できれば、この音楽の時代的な深みが感じやすい。
