ノクターン
夜の情景や瞑想を歌う性格的小品。ジョン・フィールドが創始し、ショパンが芸術的頂点に押し上げた。
どんな音か
生まれた背景
19世紀初頭、サロンで演奏されるピアノ小品として人気を得た。フィールドの優美な様式を受け、ショパンは和声の陰影、装飾、劇的な中間部を加え、ノクターンを単なる甘い夜の音楽から内面的な独白へ広げた。ロマン派のピアノ文化、家庭演奏、出版市場と深く関係している。
聴きどころ
右手の旋律を歌として聴き、左手の伴奏が作る揺れに身を置く。テンポを揺らすルバート、装飾音の入れ方、和声がふっと暗くなる瞬間が重要である。静かな曲でも、中間部で感情が大きく波立つことがある。音数が少ないため、演奏者のタッチや間の違いが非常に目立つ。
発展
ショパン21曲のノクターン(特に作品9-2、作品27、作品48)が古典型を完成させ、フォーレ13曲、リスト「愛の夢」、スクリャービン「2つのノクターン」 作品5、ドビュッシー「夜想曲」(管弦楽版)など、楽器・編成を超えて発展した。
出来事
- 1814: ジョン・フィールド「3つのノクターン」出版
- 1832: ショパン「2つのノクターン」 作品9
- 1841: ショパン「2つのノクターン」 作品48
- 1899: ドビュッシー「夜想曲」(管弦楽)作曲
派生・影響
ロマン派性格小品全般、印象派の夢想的ピアノ書法、20世紀の夜想曲(バーバーら)に影響を残した。
音楽的特徴
楽器ピアノ独奏、管弦楽
リズム緩徐、三部形式、装飾的旋律
代表アーティスト
- フレデリック・ショパン
代表曲
- 夜想曲第2番 変ホ長調 作品9-2 — フレデリック・ショパン (1832)
- 夜想曲第8番 変ニ長調 作品27-2 — フレデリック・ショパン (1836)
- 夜想曲第20番 嬰ハ短調(遺作) — フレデリック・ショパン (1830)
- 夜想曲第13番 ハ短調 作品48-1 — フレデリック・ショパン (1841)
日本との関係
初めて聴くなら
入口は「夜想曲第2番 変ホ長調 作品9-2 — フレデリック・ショパン (1832)」。旋律美と装飾の分かりやすさがある。より深い陰影を聴くなら「夜想曲第8番 変ニ長調 作品27-2」、劇的な起伏を知るなら「夜想曲第13番 ハ短調 作品48-1」がよい。
