ガリフナ・プンタ
中米カリブ海岸(ホンジュラス・ベリーズ・グアテマラ・ニカラグア)に住むガリフナ民族の伝統舞踊歌で、独自の太鼓と男女輪舞が中心。
どんな音か
複数の太鼓(プリメーロ、セグンド、ガイなど)が絡み合い、リズムの複雑さが最大の特徴。基本テンポは速く、2拍子ないし4拍子だが、シンコペーションと装飾リズムによって複雑さが増す。ボーカルはスペイン語もしくはガリフナ語で、男女の掛け合いが中心。ダンスは男女が向かい合い、腰をふる動きが特徴的。音質はライブパフォーマンスの興奮を最優先し、スタジオ処理は最小限。
生まれた背景
中米カリブ海岸に住むガリフナ民族の伝統舞踊歌。ガリフナ人は、アフリカ系奴隷とカリブ先住民(アラワク人)の混血から生まれた民族で、その歴史は複雑で苦難に満ちている。1797 年のガリフナ追放という歴史的事件を契機に、ホンジュラス、ベリーズ、グアテマラ、ニカラグアの沿岸部に定住。プンタはその後、葬儀の時の踊りとして発展し、後に祭りの舞踊となった。
聴きどころ
複数太鼓のポリリズムと、その構造的な完成度。掛け声と太鼓のタイミング。ダンスと音楽の一体性。男女のボーカルの対話。シンコペーションの正確さ。太鼓の音色の多様性。
発展
1980年代にデロイ・カマウン・カントン、ペン・カイエタノが「プンタ・ロック」を電化開発し、現代ガリフナ・ポップが形成された。2001年にユネスコ無形文化遺産登録、2013年のアウレリオ・マルティネスが米グラミー賞ラテン部門ノミネートで国際的評価を確立した。
出来事
- 1797: 英国による強制移住
- 1981: ペン・カイエタノ「プンタ・ロック」
- 2001: ユネスコ無形文化遺産登録
- 2013: アウレリオ・マルティネス・グラミーノミネート
派生・影響
アンドラ・ガリフナ、ベリーズ・ブルクドゥンクン、現代ラテン・ジャズと交差。
音楽的特徴
楽器プリメロ、セグンド、シスィラ、声、合唱
リズム中速4/4、女性合唱、男女ヒップダンス
代表アーティスト
- Andy Palacio
- Aurelio Martínez
代表曲
- Wátina — Andy Palacio (2007)
- Laru Beya — Aurelio Martínez (2011)
日本との関係
初めて聴くなら
Aurelio Martínez『Laru Beya』(2011)。ガリフナの伝統とラテン・ポップ的なプロデュースの融合。昼間に、踊りたい気分で聴くなら、Andy Palacio『Wátina』(2007)。より儀式的で、原初的なガリフナの音が感じられる。
豆知識
ガリフナ民族は世界的に見ても非常に少数民族で、その文化的自覚は強い。プンタは UNESCO の『人類の無形文化遺産』として登録されており、ガリフナ・ディ(11月19日)は中米各国で民族的祭りとして祝われている。
