トータル・セリアリズム
音高だけでなく音価・強弱・音色まで全パラメータを音列で組織する戦後の作曲技法。
概要
メシアン「音価と強度のモード」(1949)が出発点となり、ブーレーズ「ストリュクチュールI」(1952)、シュトックハウゼン「クロイツシュピール」(1951)が体系化した。1950年代ダルムシュタット夏季講習会が運動の中心。
背景
戦後ヨーロッパでは、ナチス・ファシズムが用いた感情的音楽様式への徹底した拒絶として、合理的・体系的な作曲が要請された。ウェーベルンの極端に組織化された後期作品が再発見され、戦後世代の規範となった。シュトックハウゼン、ブーレーズ、L.ノーノが指導者格となった。
発展
ブーレーズ「ル・マルトー・サン・メートル」(1955)、シュトックハウゼン「グルッペン」(3群の管弦楽、1957)、L.ノーノ「中断された歌」(1956)が代表作。1960年代以降は厳格な構成原理が緩和され、不確定性・電子音楽・スペクトルへ多様化していく。
出来事
- 1949: メシアン「音価と強度のモード」
- 1951: シュトックハウゼン「クロイツシュピール」
- 1952: ブーレーズ「ストリュクチュールI」
- 1955: ブーレーズ「ル・マルトー・サン・メートル」初演
派生・影響
電子音楽、不確定性音楽、新複雑性、戦後現代音楽全体の理論的基盤を提供した。日本の作曲家(柴田南雄、入野義朗)にも影響を与え、戦後日本現代音楽の出発点ともなった。
音楽的特徴
楽器管弦楽、室内楽、電子音響
リズム全パラメータの音列化、点描的書法
代表アーティスト
- オリヴィエ・メシアン
- ピエール・ブーレーズ
- カールハインツ・シュトックハウゼン
- ルイージ・ノーノ
代表曲
- 音価と強度のモード — オリヴィエ・メシアン (1949)YouTube で検索
- ストリュクチュールI — ピエール・ブーレーズ (1952)YouTube で検索
- ル・マルトー・サン・メートル — ピエール・ブーレーズ (1955)YouTube で検索
- 中断された歌 — ルイージ・ノーノ (1956)YouTube で検索
- グルッペン — カールハインツ・シュトックハウゼン (1957)YouTube で検索