確率音楽
確率論・統計学を作曲原理とする音楽。クセナキスが理論化・実践した。
概要
個々の音の決定ではなく、音の集合(クラウド、グリッサンド群)の統計分布を作曲する。「マッシヴな音響イベント」の確率的記述が特徴で、ガス理論・ブラウン運動・確率過程など科学的概念を直接導入した。
背景
クセナキスは元建築家(ル・コルビュジエ事務所)で、フィリップ館(1958)の設計に音楽の幾何学的構成を反映させた。トータル・セリアリズムの「過剰な決定論」を批判し、「個別の決定が無意味化する大群の音響」という発想に到達した。
発展
クセナキス「メタスタシス」(1954)、「ピソプラクタ」(1956)が出発点、「ヘルマ」(1961、集合論ピアノ作品)、「ノモス・アルファ」(1966、群論的構成)、確率分布関数を直接用いた多くの作品が発表された。コンピュータ作曲ソフト「ストカス(Stochos)」も開発した。
出来事
- 1954: クセナキス「メタスタシス」初演
- 1956: クセナキス「ピソプラクタ」初演
- 1958: ブリュッセル万博フィリップ館
- 1971: クセナキス「形式化された音楽」出版
派生・影響
アルゴリズム作曲、コンピュータ音楽、現代電子音響音楽、グラニュラー合成へ理論的影響を残した。
音楽的特徴
楽器管弦楽、室内楽、電子音響
リズム確率分布、音響クラウド、グリッサンド群
代表アーティスト
- ヤニス・クセナキス
代表曲
- メタスタシス — ヤニス・クセナキス (1954)YouTube で検索
- ピソプラクタ — ヤニス・クセナキス (1956)YouTube で検索
- ヘルマ — ヤニス・クセナキス (1961)YouTube で検索
- ノモス・アルファ — ヤニス・クセナキス (1966)YouTube で検索