アレアトリック音楽
作曲・演奏に偶然性の要素を導入する戦後の作曲技法の総称。
概要
全パラメータを厳密に決めるトータル・セリアリズムへの反作用として、ジョン・ケージ(米)と作曲家ルトスワフスキ、シュトックハウゼン(欧)が異なる方向で発展させた。作曲家による「制御された偶然性」と、ケージ流の「決定論からの完全離脱」の二極がある。
背景
戦後前衛音楽の極端な体系化への内的反動と、東洋哲学(特に易経)への関心、フルクサスなど境界横断的芸術運動が背景にある。1950年代パリ・ニューヨーク・ダルムシュタットで国際的に議論された。
発展
ケージ「易の音楽」(1951、易経による)、シュトックハウゼン「ピアノ曲第11番」(1956、ページ順を演奏者選択)、ブーレーズ「ピアノ・ソナタ第3番」(1957、可動形式)、ルトスワフスキ「ヴェネツィアのゲーム」(1961、限定アレアトリ)が代表作。
出来事
- 1951: ケージ「易の音楽」
- 1956: シュトックハウゼン「ピアノ曲第11番」
- 1958: ケージ、ダルムシュタット講習会で講演
- 1961: ルトスワフスキ「ヴェネツィアのゲーム」
派生・影響
不確定性音楽、グラフィック・スコア、フルクサス、即興音楽、現代の図形楽譜・参加型音楽まで広く影響している。
音楽的特徴
楽器多様(楽器・声・電子音)
リズム偶然性、可動形式、限定アレアトリ
代表アーティスト
- ジョン・ケージ
- ピエール・ブーレーズ
- ヴィトルト・ルトスワフスキ
- カールハインツ・シュトックハウゼン
代表曲
- ピアノ曲第11番 — カールハインツ・シュトックハウゼン (1956)YouTube で検索
- ピアノ・ソナタ第3番 — ピエール・ブーレーズ (1957)YouTube で検索
- ヴェネツィアのゲーム — ヴィトルト・ルトスワフスキ (1961)YouTube で検索