十二音技法
12の半音を一定の順序(音列)に並べ、その順序関係を作品全体で展開する作曲技法。1923年シェーンベルクが体系化。
概要
12音すべてを使い切る「音列(Reihe)」を基本とし、原型・反行・逆行・反行逆行の4変形と、12の移高でセットを構成する。シェーンベルク、ベルク、ウェーベルンが新ウィーン楽派の核となり、戦後セリアリズムへ展開した。
背景
自由無調期の作品には組織原理が欠けるという内省から、シェーンベルクは「12の音を相互の関連の上にだけ作曲する」体系を10年以上の試行を経て確立した。バッハ的対位法体系の20世紀的更新という意識も強かった。
発展
シェーンベルク「ピアノ組曲」 作品25(1923)が最初の12音作品、「管弦楽のための変奏曲」 作品31(1928)、ベルク「叙情組曲」(1926)「ヴァイオリン協奏曲」(1935)、ウェーベルン「交響曲」 作品21(1928)「弦楽四重奏曲」 作品28(1938)が代表作となる。戦後はストラヴィンスキー後期、ダラピッコラ、L.ノーノら多くの作曲家が採用した。
出来事
- 1923: シェーンベルク「ピアノ組曲」 作品25
- 1928: ウェーベルン「交響曲」 作品21
- 1935: ベルク「ヴァイオリン協奏曲」
- 1938: シェーンベルク米国亡命、12音技法を世界に伝播
派生・影響
戦後トータル・セリアリズム(ブーレーズ、シュトックハウゼン)、1980年代までの前衛音楽全体の理論的基盤となり、ジャズ・現代映画音楽にも応用された。
音楽的特徴
楽器管弦楽、室内楽、声楽
リズム音列の原型・反行・逆行、対位法的書法
代表アーティスト
- アルノルト・シェーンベルク
- アルバン・ベルク
- アントン・ウェーベルン
- イーゴリ・ストラヴィンスキー
代表曲
- ピアノ組曲 作品25 — アルノルト・シェーンベルク (1923)YouTube で検索
- 交響曲 作品21 — アントン・ウェーベルン (1928)YouTube で検索
- 管弦楽のための変奏曲 作品31 — アルノルト・シェーンベルク (1928)YouTube で検索
- ヴァイオリン協奏曲 — アルバン・ベルク (1935)YouTube で検索