オペラ・セリア
18世紀イタリアを中心に流行した、神話・古代史を題材とする3幕構成の正歌劇。
概要
メタスタージオの台本を規範とし、レチタティーヴォ・セッコとダ・カーポ・アリアを連ねる構造を持つ。カストラート歌手の高度な技巧を中心に据え、英雄的徳目と恋愛葛藤を高雅に描いた。
背景
18世紀ヨーロッパ宮廷文化の頂点を背景に、絶対王政・啓蒙君主の儀礼として神話・歴史題材の歌劇が好まれた。アポストロ・ゼーノ、メタスタージオが台本を体系化し、規範劇形式(unities)を厳守した。社会階層を反映した役柄設定で、王侯貴族にふさわしい娯楽として位置づけられた。
発展
A.スカルラッティ世代から始まり、ヘンデル(ロンドン時代)、ハッセ、ヴィンチ、ペルゴレージ、グラウンなどイタリア人・ドイツ人作曲家が国際的様式を作った。グルックは「アルチェステ」序文(1769)で「アリアの過剰技巧」を批判して改革オペラを唱え、形式は18世紀末に終焉に向かった。モーツァルト「皇帝ティートの慈悲」(1791)が伝統の最終形。
出来事
- 1724: ヘンデル「ジューリオ・チェーザレ」初演
- 1730: メタスタージオ、ウィーン宮廷桂冠詩人就任
- 1762: グルック「オルフェオとエウリディーチェ」、改革開始
- 1791: モーツァルト「皇帝ティートの慈悲」、最後期セリア
派生・影響
グルックの改革オペラ、19世紀フランス・グランド・オペラ、ロッシーニ初期の英雄劇(タンクレーディ)に部分的に継承された。
音楽的特徴
楽器独唱、合唱、管弦楽
リズムダ・カーポ・アリア、レチタティーヴォ・セッコ
代表アーティスト
- クラウディオ・モンテヴェルディ
- アレッサンドロ・スカルラッティ
- アントニオ・ヴィヴァルディ
- ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル
- クリストフ・ヴィリバルト・グルック
- ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
代表曲
- オルフェオとエウリディーチェ — クリストフ・ヴィリバルト・グルック (1762)YouTube で検索
- リナルド HWV 7 — ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル (1711)YouTube で検索
- ジューリオ・チェーザレ HWV 17 — ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル (1724)YouTube で検索
- 皇帝ティートの慈悲 K. 621 — ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (1791)YouTube で検索