フランス・オペラ(バロック)
リュリがルイ14世の宮廷で確立した、フランス独自の壮麗な悲劇歌劇。
概要
プロローグ+5幕構成、神話的題材、フランス語による朗唱的レチタティーヴォ(フランス式レシ)、舞踊(ディヴェルティスマン)と合唱を多用する。リュリ、ラモーが二大代表者。
背景
ルイ14世期の絶対王政を背景に、フランスはイタリア・オペラへの対抗意識から独自の歌劇形式を求めた。フィリップ・キノーの台本とリュリの作曲、王立舞踊アカデミーの舞踊、ヴェルサイユの儀礼文化が融合し、1672年の「王立音楽アカデミー」設立で制度化された。
発展
リュリの「カドミュスとエルミオーヌ」(1673)以降、毎年オペラ初演が宮廷の儀式となった。ラモーは「イポリトとアリシ」(1733)で和声論に裏付けられた革新的書法を持ち込み、リュリ派とラモー派の論争を引き起こした。グルックがウィーン式改革オペラをパリに持ち込み(1774)、後の「ピッチン二派・グルック派」論争を経て、フランス・グランド・オペラへ橋渡しされた。
出来事
- 1673: リュリ「カドミュスとエルミオーヌ」初演
- 1733: ラモー「イポリトとアリシ」初演
- 1752: 「ブッフォン論争」、イタリア/フランス・オペラ論争
- 1774: グルック「アウリスのイフィジェニー」パリ初演
派生・影響
19世紀フランス・グランド・オペラ(マイヤベーア)、フランス・リリック・オペラ(グノー、マスネ)、さらにはドビュッシー「ペレアスとメリザンド」のフランス語朗唱志向にまで遠く影響している。
音楽的特徴
楽器独唱、合唱、管弦楽、舞踊
リズムプロローグ+5幕、ディヴェルティスマン、フランス式レシ
代表アーティスト
- ジャン=バティスト・リュリ
- ヘンリー・パーセル
- ジャン=フィリップ・ラモー
- クリストフ・ヴィリバルト・グルック
代表曲
- アティス — ジャン=バティスト・リュリ (1676)YouTube で検索
- アルミード — ジャン=バティスト・リュリ (1686)YouTube で検索
- イポリトとアリシ — ジャン=フィリップ・ラモー (1733)YouTube で検索
- カストールとポリュックス — ジャン=フィリップ・ラモー (1737)YouTube で検索