イタリア・ロマン派オペラ
19世紀イタリアの中心的オペラ伝統。ベルカントから後期ヴェルディに至る。
概要
美しい旋律と歌唱技巧(ベルカント)を核に、政治的情熱と個人的悲劇を結合させる。ロッシーニ、ベッリーニ、ドニゼッティのベルカント期、ヴェルディの中期〜後期を経て、後にヴェリズモへ移行する。
背景
イタリア統一運動(リソルジメント)と並行して、オペラは民族的アイデンティティと政治的メッセージを担う場となった。「ナブッコ」のヘブライ人合唱は反ハプスブルク運動の象徴となり、ヴェルディの名は「VIVA VERDI」(イタリア王ヴィットーリオ・エマヌエーレ)の暗号として用いられた。
発展
ロッシーニ「セビリアの理髪師」(1816)、ベッリーニ「ノルマ」(1831)、ドニゼッティ「ランメルモールのルチア」(1835)がベルカント期を作り、ヴェルディが「ナブッコ」「リゴレット」「椿姫」「アイーダ」「オテロ」「ファルスタッフ」と発展、最後にプッチーニ「ラ・ボエーム」「トスカ」「蝶々夫人」「トゥーランドット」が伝統を集大成した。
出来事
- 1816: ロッシーニ「セビリアの理髪師」初演
- 1842: ヴェルディ「ナブッコ」初演
- 1853: ヴェルディ「椿姫」初演
- 1896: プッチーニ「ラ・ボエーム」初演
派生・影響
ヴェリズモ、20世紀イタリア・オペラ(マスカーニ、レオンカヴァッロ)、世界中のオペラ書法に決定的影響を与えた。
音楽的特徴
楽器独唱、合唱、管弦楽
リズムベルカント、レチタティーヴォ、二部構成のアリア
代表アーティスト
- ジョアキーノ・ロッシーニ
- ジュゼッペ・ヴェルディ
- ジャコモ・プッチーニ
- ピエトロ・マスカーニ
代表曲
- リゴレット — ジュゼッペ・ヴェルディ (1851)YouTube で検索
- 椿姫 — ジュゼッペ・ヴェルディ (1853)YouTube で検索
- アイーダ — ジュゼッペ・ヴェルディ (1871)YouTube で検索
- ラ・ボエーム — ジャコモ・プッチーニ (1896)YouTube で検索
- トスカ — ジャコモ・プッチーニ (1900)YouTube で検索