Pop Punk
パンクの速さとパワーコードを、口ずさめるサビと2〜3分の短い曲にまとめ直した音楽。1970年代末に芽生え、グリーン・デイが押し上げ、ブリンク182らが世紀の変わり目に世界の若者の定番にした。
What it sounds like
パンクの構造をポップに整えたスタイル。テンポは速め(曲の速さを示すBPMで150〜200)。中程度に歪ませたエレキギター(パワーコードが中心)が土台で、そこにエレキベースとドラムが加わる。ヴォーカルは男性が中心で、2〜3声のハーモニーを重ねる。曲の長さは2〜3分と短く、Aメロ・Bメロ・サビの流れが明快だ。歌詞のテーマは失恋や退屈な日常、郊外の閉塞感、夏の思い出、そして自分を茶化す軽口など。メロディは耳に残り、サビは一度で覚えられる。録音はクリアで明るく、ノイズは控えめだ。
How it came about
1976年のラモーンズ『Ramones』はポップ・パンク的なメロディ志向の原型のひとつとされ(諸説あり)、ジャンルとして商業的に本格化したのは1990年代半ばのカリフォルニアだった。グリーン・デイ『Dookie』(1994)が世界的な大ヒットとなり(発売後数年で全米1000万枚=ダイヤモンド級、のち2024年に全米2000万枚=ダブル・ダイヤモンド認定)、続く2000年前後に最盛期を迎える。ブリンク182は下ネタと疾走感を、Sum 41はメタル寄りの硬さを、グッド・シャーロットは郊外の鬱屈を、それぞれMTV世代に届けた。2000年代半ばにはフォール・アウト・ボーイやパラモアが、エモと地続きの新世代を開いた。2010年代は、ジョイス・マナーら、より内省的でインディー寄りの一派が受け継いだ。近年は5セカンズ・オブ・サマーら、2000年前後の音を懐かしむY2Kリバイバル世代へと続いている。
What to listen for
聴きどころはサビのフックに尽きる。Aメロが始まってからサビまでの短さを意識して聴いてみてほしい——その「助走の短さ」こそポップ・パンクの快感だ。サビの一瞬、いくつもの音が束になって音の壁が立ち上がる。主旋律を弾くギター、リズムを刻むギター、低音と高音を1オクターブ行き来するベース(弾むボールのような跳ね。「All the Small Things」で顕著)、そして重ねたヴォーカルのハーモニー——これらが一斉に鳴る。曲の最初の30秒で覚えやすい一節を提示する設計も特徴だ。グリーン・デイ以降は、Aメロ・Bメロ・サビの一巡をまるごと1分半に畳み込んだ。
If you only hear one thing
1枚だけなら、グリーン・デイ『Dookie』(1994)。この一枚でジャンルの骨格がつかめる。続けてブリンク182『Enema of the State』(1999)、ジ・オフスプリング『Smash』(1994)。国内なら、Hi-STANDARD『Making the Road』(1999)。
Trivia
グリーン・デイはカリフォルニア州ロデオで結成され、バークレーの伝説的なDIYパンク・クラブ「924 Gilman Street」(年齢制限のない、未成年も入れるライブハウス)を拠点とするイースト・ベイのパンク・シーン出身だ。同会場はメジャー・レーベル所属バンドを認めない方針で、グリーン・デイが1993年にReprise(メジャー)と契約し、1994年のメジャーデビュー後にこの方針で締め出された。その状態は2015年の和解まで20年以上続いた。もう一つ。ブリンク182のトラビス・バーカー(ドラマー)は、2008年の小型ジェット機墜落事故から生還した。搭乗6名のうち操縦士2名とバーカーの随行スタッフ2名の計4名が亡くなり、生還したのは彼と同乗のDJ AMの2名だけだった。
Hear the rhythm
The signature rhythm pattern of this genre. Press play to loop it, and follow the score below to see which beat is sounding.
Notable artists
- Green Day
- blink-182
- A Day to Remember
Notable tracks
- Basket Case — Green Day (1994)
- All the Small Things — blink-182 (1999)
- American Idiot — Green Day (2004)
- Wake Me Up When September Ends — Green Day (2004)
Sk8er Boi — blink-182 (2002)
