表現主義音楽
20世紀初頭ウィーンで、内面の極限的感情を直接音化した音楽運動。新ウィーン楽派の核。
概要
後期ロマン派の半音階を極限まで推し進め、伝統的調性が解体される過程で生まれた。激しいダイナミクス対比、跳躍的旋律、不協和の連続を特徴とし、シェーンベルク、ベルク、ウェーベルンの初期作品に典型を見る。
背景
ウィーン世紀末のフロイト精神分析、カンディンスキーの抽象絵画、シェーンベルクと表現主義画家集団「青騎士」の交流が思想的基盤となった。世紀転換期の不安と内面の発見という時代精神が、調性解体への必然性を作り出した。
発展
シェーンベルク「弦楽四重奏曲第2番」(1908)の終楽章でソプラノが「他の惑星の空気を感じる」と歌い、調性離脱を宣言した。その後「3つのピアノ曲」 作品11(1909)、「月に憑かれたピエロ」(1912)、ベルク「ヴォツェック」(1925)、ウェーベルンの極小作品が表現主義音楽の代表作となった。
出来事
- 1908: シェーンベルク「弦楽四重奏曲第2番」、調性解体宣言
- 1909: シェーンベルク「3つのピアノ曲」 作品11
- 1912: シェーンベルク「月に憑かれたピエロ」
- 1925: ベルク「ヴォツェック」初演
派生・影響
12音技法、戦後のセリアリズム、戦後オペラ(ベルク「ルル」、ヘンツェ)、現代の心理劇音楽全般に影響を残した。
音楽的特徴
楽器声、管弦楽、室内楽
リズム調性解体、跳躍旋律、激しい対比
代表アーティスト
- アルノルト・シェーンベルク
- アルバン・ベルク
- アントン・ウェーベルン
代表曲
- 弦楽四重奏曲第2番 作品10 — アルノルト・シェーンベルク (1908)YouTube で検索
- 月に憑かれたピエロ 作品21 — アルノルト・シェーンベルク (1912)YouTube で検索
- ヴォツェック — アルバン・ベルク (1925)YouTube で検索
- ルル — アルバン・ベルク (1937)YouTube で検索