古典

カヤール

Khayal

インド / 南アジア · 1700年〜

別名: Khyal

ヒンドゥスターニー古典声楽の現代的主流様式。

概要

18世紀のムガル帝国期にドゥルパドに代わって主流となった声楽様式。「カヤール」はペルシア語で「想像・創造」を意味し、即興と装飾(ターン・ガマック・ムールキ)を駆使してラーガを展開する。ヴィラムビット(緩)・ドゥルット(急)の二曲構成で、タブラ伴奏と組み合わさる。

背景

ムガル朝シャー・ジャハーン期(17世紀)のニアマト・カーン(サダーランガ)らが、ペルシア・ヒンドゥー音楽を融合してカヤールを大成したとされる。グワリオル・キラーナ・パティアラ・アグラ・ジャイプール・ベナーレスなどの「ガラーナ(流派)」が成立し、それぞれ独自の様式を伝えた。

発展

20世紀にはバーデー・グラーム・アリー・カーン(パティアラ)、アムジャド・アリー・カーン、クマール・ガンダルヴァ、ビーム・セーン・ジョーシー、キショリ・アモンカル、パンディット・ジャスラージらが世界的名声を得た。録音文化と全国コンサート・ツアーで普及し、現代もインド古典音楽の代表ジャンル。

出来事

  • 17世紀: サダーランガによる大成。
  • 19世紀: 主要ガラーナの確立。
  • 1953年: バーデー・グラーム・アリー・カーン全インド・ラジオ録音。
  • 1992年: パンディット・ジャスラージがインド政府パドマ・ヴィブシャン受章。
  • 2009年: ビーム・セーン・ジョーシー死去で時代の終焉。

派生・影響

トゥムリー・ガザル・ボリウッド古典歌のラーガ的素材となり、現代インド器楽(シタール・サロード)の演奏様式にも反映される。

音楽的特徴

楽器声、ターンプラ、タブラ、ハルモニウム、サーランギー

リズムヴィラムビット(緩)とドゥルット(急)の二部構成、ターン(高速旋律)、エクタール・ティーンタールなどのターラ

代表アーティスト

  • クマール・ガンダルヴァインド · 1947年〜1992
  • パンディット・ジャスラージインド · 1952年〜2020
  • キショリ・アモンカルインド · 1960年〜2017

代表曲

関連ジャンル

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