カンタータ
独唱・合唱と器楽伴奏による、レチタティーヴォとアリアを連ねた声楽曲のジャンル。
概要
イタリアの独唱カンタータと、ルター派教会カンタータの二系統が特に重要。前者はサロン文化の劇的独唱曲、後者は礼拝のための合唱・独唱複合曲である。バッハの教会カンタータ(約200曲)は教会カンタータの集大成。
背景
17世紀のイタリアでオペラと並行して発展した独唱カンタータは、貴族邸でのアカデミー文化を背景にレチタティーヴォとアリアを連結する規範を作った。ドイツでは敬虔主義運動とルター派教会改革のなかで、コラール(讃美歌)と聖書的テクストを中心とする教会カンタータが定着した。
発展
カリッシミ、A.スカルラッティらがイタリア独唱カンタータを完成させ、バッハがライプツィヒ時代(1723〜1750)に多数の教会カンタータを書いた。テレマンの大量のカンタータ集はドイツ各地の典礼に寄与した。古典派以降は世俗オラトリオ・カンタータに名前を残し、ロマン派ではメンデルスゾーンやブラームスが復活させた。
出来事
- 1620年頃: カリッシミ世代の独唱カンタータ
- 1707: バッハ「アクトゥス・トラギクス」 BWV106
- 1723: バッハ、ライプツィヒ・トーマスカントル就任
- 1735年頃: テレマン「Harmonischer Gottes-Dienst」全72曲
派生・影響
オペラ・アリア/レチタティーヴォ書法、オラトリオ、近代の合唱・管弦楽曲(ストラヴィンスキー「カンタータ」、ヒンデミット)まで広く影響を与えた。
音楽的特徴
楽器独唱、合唱、通奏低音、室内アンサンブル
リズムレチタティーヴォ+アリア+合唱の連結
代表アーティスト
- ハインリヒ・シュッツ
- ディートリヒ・ブクステフーデ
- アレッサンドロ・スカルラッティ
- ヘンリー・パーセル
- ゲオルク・フィリップ・テレマン
- ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
代表曲
- Christ lag in Todes Banden BWV 4 — ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1707)YouTube で検索
- Actus Tragicus BWV 106 — ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1707)YouTube で検索
- Ich habe genug BWV 82 — ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1727)YouTube で検索
- Wachet auf, ruft uns die Stimme BWV 140 — ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1731)YouTube で検索