トリオ・ソナタ
2つの旋律楽器と通奏低音による、バロック室内楽の中核形式。
概要
教会ソナタ(緩‐急‐緩‐急の4楽章)と室内ソナタ(舞曲楽章主体)の2系統に分かれ、コレッリ作品1〜4が範例となった。実演には3名以上(旋律2+鍵盤+低弦)が要ることが多く、「トリオ」は記譜上の声部数を指す。
背景
16世紀末のカンツォン・ダ・ソナーレから派生し、17世紀イタリアで器楽の自立を促した。教会音楽の枠組みからサロン音楽へ広がり、ローマ・ボローニャ・モデナ・ヴェネツィアなど各地の弦楽伝統を統合した。出版業の発達がコレッリらの作品の国際的伝播を可能にした。
発展
コレッリ作品1(1681)以降の4作で教会・室内ソナタの規範が確立し、ヘンデル作品2・5、バッハの「音楽の捧げもの」内のトリオ・ソナタ(BWV1079)、テレマンの「忠実な音楽の師」誌掲載作などへ広がった。18世紀半ばにはギャラント様式が台頭し、四重奏・五重奏など新編成へ重心が移った。
出来事
- 1681: コレッリ「教会トリオ・ソナタ集」作品1
- 1689: コレッリ作品3、教会ソナタの古典型
- 1720年頃: バッハ、オルガン・トリオ・ソナタ集 BWV525-530
- 1747: バッハ「音楽の捧げもの」内のトリオ・ソナタ
派生・影響
古典派の弦楽四重奏、ピアノ・トリオへ受け継がれ、室内楽の基本書法を準備した。20世紀の新古典主義作曲家(ヒンデミット)も範例として再訪している。
音楽的特徴
楽器2つの旋律楽器、通奏低音(鍵盤+低弦)
リズム教会ソナタ4楽章、舞曲楽章
代表アーティスト
- アルカンジェロ・コレッリ
- ゲオルク・フィリップ・テレマン
- ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
代表曲
- 室内トリオ・ソナタ ニ長調 作品4-2 — アルカンジェロ・コレッリ (1694)YouTube で検索
- 教会トリオ・ソナタ ヘ長調 作品3-1 — アルカンジェロ・コレッリ (1689)YouTube で検索
- オルガン・ソナタ第3番 ニ短調 BWV 527 — ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1730)YouTube で検索
- 音楽の捧げもの BWV 1079より三重奏ソナタ — ヨハン・ゼバスティアン・バッハ (1747)YouTube で検索